「また来いよ」
宿のオーナーと固い握手を交わし
朝もやの街に出た。
空は快晴
大きな荷物をバスに運び込み、
通勤客に混じって空港へ向かう。
4泊5日、
モーリシャスで過ごしたわずかな時間は、
あの海の色とともに脳裏に焼きついている。
ポート・ルイスから空港まではおよそ60km、
バスで1時間半だった(約105円)。
午前9時、空港に到着。
余った30ルピー(約110円)で
ハンバーガーを1つ買い、
敷地内の芝生でそいつを頬張った。
空は快晴、
飛行機が気持ち良さそうに吸い込まれていく。
荷物を預け、イミグレーションに向かう。
思えば5日前、ここで2時間近く待たされ、
しつこく面接をされたっけ(笑
そんなことを回想しながらカウンターへ向かう。
するとまぁ、なにかの因縁なのか出国にも手間取った。
「マダガスカルのビザは?」
「日本にはいつ帰る?」
「なんでこんなにたくさんの国を回ってるんだ?」
モーリシャスは、最後まで敷居の高い国だった…。
90分の空の旅
苦笑いで後ろを振り向くと、
長蛇の列ができてしまっていた…。
機内に乗り込むまでの2時間は、読書をして過ごした。
村上春樹『海辺のカフカ』。
実はすでに読み終わっていて、現在2周目。
しかも、上巻しか持っていないため、
つづきは日本までおあずけ…。
でも、帰る楽しみがまた1つ増えた♪
優雅に機内食を食べ、コーラをおかわりし、
90分の空の旅を満喫した。
最後に窓から見たモーリシャスの大地は
美しい余韻を残してくれた。
この旅もまた物語である。
モーリシャスを読み終え、
今度はマダガスカルのページを開く。
マダガスカル空港に降り立ち、
さぁ、夢のつづきを始めよう。
この旅において強く憧れていた場所だもの、
胸の高鳴りは抑えきれない。
95ドルという高額のビザ代を払い、無事に入国。
せっかく優雅な気分に浸っていたので
奮発してタクシーで宿まで移動した。
料金は20000アリアリー(約1200円)、
全然アリアリーさっ(笑
大切なのは想像力
旅の相方ヒロが部屋を取っておいてくれた。
モーリシャスに行っていた間、
ここアンタナナリボで食道楽を楽しんだと言っていた。
マダガスカルは食が充実し、物価が安い。
かつてはフランスの植民地だったため
その名残で豊かな食文化が育まれたのだと推測する。
マダガスカルは日本の約1.5倍の面積をほこり、
道路はほとんどが未舗装。
移動がとても困難な国である。
滞在期間は2週間。
できるだけ効率よく回りたいものだ。
残念ながらガイドブックを持っていないため、
今日は聞き込みに時間を裂くことにした。
旅行会社をいくつも巡り、
見所や交通手段を教えてもらう。
集めてきたキーワードをもとに、
仮説を立て、反証をぶつける。
こうやって科学が進歩してきたように、
旅のプランも固まっていく。
大切なのは想像力。
旅は想像力の中から始まり、
逆に言えば、想像力のないところに旅は生まれない。
旅も、仕事も、人生も、
メカニズムは同じだと思う。
バオバブ、キツネザル、古い町並み。
この3つをキーワードに周遊しようと思う。
できるだけゆっくり、じっくりと見たいので
小さな三角形を描くように街と街を結んでいく。
バオバブ並木に滲む夕日、
横っ飛びで移動するコミカルなサル、
西洋の顔をした古い町並み…。
そんな空想の中に
未来の地図が描かれていく―。
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