「ホンマデスカ?」
それが彼の口癖。
アフリカを供に旅する新メンバー
ヒロくん(24歳)を紹介しよう。
と、その前に。
そういえば日本人は、
次の3種類の相槌に分けられる。
1「ホントに!?」
2「ウソー!?」
3「マジで!?」
疑い深い民族である…。
ちなみに自分は3番を使ってしまう。
一大決心
さて、話を戻そうか。
彼は元ホテルマン、
さながら24歳とは思えない落ち着きと、
大人な振る舞いをする好青年。
まぁ、この旅で出会う若者はみな大人で、
感心させられることが多いのだが、
自分がその年齢だった頃を振り返ると、
……。
ずいぶん幼かったと反省したい(苦笑)
年寄り染みたことはさておこう。
彼と一緒に夕食に出かけたときの話だ。
「旅はけじめが大事っすね」(ヒロくん)
「えっ、どういう意味?」(カズ)
「毎日楽しいし、続けられるならずっと
こうしていたい。でも、終わりを決めて
将来のことを考えないとね」(ヒロくん)
そのとおり。
旅立つ前に一大決心があり、
旅を終えるのにも一大決心がいる。
旅のきっかけは人それぞれで、
旅の着地点もまたしかり。
人生は簡単にリセットできない
「日本に帰ってからって、不安?」(カズ)
「そりゃ不安っすよ。
何がしたいかまだわからないし…」(ヒロくん)
そうか、そうか。
「旅に出てること」=「白紙に戻すこと」ではない。
人生はそう簡単にリセットできないのだ。
何かに嫌気がさして日本を飛び出したり、
画期的な変化を求めて旅をする人もいるが、
旅は何もしてくれない。
旅に何かを求めるのは間違いで、
世界一周するよりも、
日本で1日がんばったほうが
人生は大きく変わる。
旅に自分の将来を押し付けてしまっては
ただの“逃避行”である。
でも、“きっかけ”はくれる。
20代の旅なら、刺激を受け
将来を展望する意欲が備わると思う。
地図を広げ、ルートを探すように、
将来の青写真も描けるのではないだろうか。
30代の旅は少し違う。
これまでの人生と旅をダブらせながら、
選択肢をしぼり込んでいく旅だ。
かくゆう自分も、
大切なモノはすべて日本にあった、
そう気づかされた。
だから、日本に帰ることが
この旅の目標であり、ゴールである。
Mr.Children
「でもね、この1年って
ホンマ記憶が鮮明なんすよ。
あの日は何をした、って
すぐに思い出せますから」(ヒロくん)
濃くて充実した毎日。
こんなにも素直な気持ちで
毎日を過ごしたのは小学生以来だと思う。
「たぶん、この刺激は一生忘れないし、
日本でも刺激を求めて積極的に
人生を送れると思うんすわ(笑)」(ヒロくん)
同感。
冷めた大人にはなりたくない。
態度は大人に、瞳は少年に。
旅する僕らは“Mr.Children”さ。
あぁ僕は僕のままで、
ゆずれぬ夢を抱えて、
どこまでも歩き続けていくよ
いいだろう、Mr.Myself
(Mr.Children/Innocent World より)
ってね。
彼とはケニアまで
一緒に行くことになるだろう。
24歳と32歳、
旅のスタイルは違えど、
少年の瞳で明日を目指す。
そんな明日のムコウで
「出会えて良かったよ」
と、握手を交わしたいな。
日本に帰ったあとも、ずっと。
「ホンマデスカ?」
少し照れた顔で
彼はそう言うだろう。
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