遅く起きた朝は…、
そんなテレビ番組があったような。
午前11時、
窓から降り注ぐ陽だまりの中で目を覚ました。
節約生活
キプロスのギルネ、地中海の美しい港町。
久々に目覚ましをかけず、昨夜も時計を見ずに寝たので
いったい何時間寝たのかは不明。
今日と明日は予定がない、いや予定をあえて入れていない。
というのも、恥ずかしながらお金が底をついてしまった…。
トルコ、キプロスの2週間で500ドルを予算立てしていたが、
すでに700ドルを遣い切った(汗)
計算すると1日平均5000円オーバー!!
自炊してこの結果だから、ヨーロッパの恐さを知った。
財布の中には申し訳程度に
25リラ(2500円)だけ残っている。
これ以上の両替は命取り!
まだ長い旅路が残っているのだから。
そこでこの2日間は、お金を遣わないように
ノープラン、というか何もしないことにした…。
切ない気持ち
ベッドで本を読み、写真を整理し、窓から景色を眺める。
気分転換に海辺を散歩し、
冷たいシャワーで汗を流す。
冷蔵庫を覗き、スーパーで買い込んだ食材を手にとっては
アレコレ思考を巡らせて、本日の献立を決める。
結局パスタに落ち着くんだけどね(笑
せっかく世界を旅していているのに、
こんなにもダラダラと過ごしていいものだろうか?
道楽の旅にならないように、日々忙しくきたつもりだから。
そういえば日曜日。昼食を摂ったあと、
夕方まで昼寝をしてしまうことがあった。
つけっぱなしのTVから『笑点』の音楽が聞こえる。
ハっと目を覚ますと、薄暗くなった部屋…。
あの瞬間の刹那さは
いったい何に例えればいいのだろうか。
もったいないことをした。
せっかくの休日を取り返せない喪失感…。
この2日間、同じ気持ちにならなければいいけど。
8月ももうすぐ終わる。
去り行く夏休みを惜しんだあの頃。
蝉の声が遠のき、秋の虫たちが夜を奏ではじめる。
力強い入道雲もどこかへ帰っていった。
『サザエさん』では、宿題に追われるカツオが奮闘してたっけ?
こんな小さな島にいると、あの頃の夏休みとリンクする。
「来年もまた来るから」
そう言ってフェリーに乗り込んだとき、
小さな心にギュッと込み上げた淋しさ…。
地中海の美しい港町
静かな地中海がいつしか夕日に染まっていた。
懐かしい思い出に浸るのも、
きっと海外というシチュエーションがくれた贈り物だろう。
夕方の強い風にカーテンがはためいた。
1つ1つの何気ないことが、すぅっと心に溶けて、
穏やかな感動へと変化する。
忙しさの中で見過ごしてきたものが
どれほど多いことだろう。
キプロスは何もない島。
でも、どこにでもあるのに
見えていないかったものを教えてくれた。
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