ラダックのレーに来て3日目、
今日は郊外のゴンパ(チベット寺院)を巡るべく
早朝5時に起床。チベタンの朝はとても早い。
3つのゴンパ
昨日、旅行代理店で手配したツアーは
「ティクセ」「へミス」「シェイ」という3つのゴンパを
巡る内容で、車1台1200ルピー(約3200円)。
現地で知り合った日本人4人でシェアしたため、
1人あたり300ルピー(約750円)と、
とてもお手頃価格になった。
どうしてもティクセ・ゴンパの「プージャ」が見たい!
と、リクエストしたため、迎えの車はホテルに6時にやって来た。
プージャとは僧たちの朝の儀式で、
経を唱えながら食事をし、時折経に合わせて雅楽のような演奏をする。
ティクセ・ゴンパとプージャ
ティクセ・ゴンパは、15世紀創建の僧院で、
数多くのお堂があり、創建当時の壁画が残されている。
静かな笑みを浮かべるラダック最大の弥勒菩薩像が有名だ。
ティクセに到着すると、ちょうど儀式が始まるところだった。
薄暗いお堂の中で、厳かに、そして重層に声が響き渡る。
お堂の隅に座らせてもらい、その様子を見学させてもらった。
左右に身体を揺らしながら経を読み、
子どもたち少しふざけながらも、美味しそうに粥を手づかみで食べている。
もちろん儀式の意味も、経のありがたみもわからないが、
心が改まる、そんな気持ちになる。
どこか心地よく、そして何故かせつない感情が湧いてくる。
物質的・利己的な世の中で、“信じる”とは、
失われつつある感情のひとつなのかも知れない…。
そんなことを思いながら、この神聖な儀式を見守った。
悠久のロマン
次に訪れたのはヘミス・ゴンパ。
毎年夏に行なわれる「ヘミス・ツェチュ」の祭りが有名で、
全チベット文化圏からの巡礼者、各国からの観光客が集まる。
トンドル(大タンカ)のご開帳があり、
その下でグル・リンポチェからの祝福が人々に与えられるという。
今年の祭りを密かに狙っていたが、2週間ほど早かったようだ。
最後に訪れたのはシェイ・パレス。
シェイとは「水晶」の意味で、
15世紀まではこの場所にラダック王国の都が置かれていた。
息をきらせながら王宮への階段を上り、僧院へと辿り着くと
風が抜けてとても気持ちよかった。
かつての王宮というだけあってどこか気品があり、
タルチョをはためかせる風が悠久のロマンを感じさせてくれた。
言葉で説明できない
ずっと憧れだったチベット文化に触れ、
時の過ぎるのがなんて早いのだろうと、
時計を見るたびに湧き上がる焦燥感。
いくつゴンパを巡ったとしても、この感情に終わりは来ない気がする。
ここにいた自分を忘れたくない、
そんな思いから、チベットのヤクが付けるという鈴をひとつ買った。
ペンダントがわりに首にかけ、
何かにつけてチリン、チリンと鳴らしている。
この音がいつでもチベットの景色を思い出させてくれるから。
ラダックにいられるのもあと3日。
明日はもっと遠くまで行こうと思う。
言葉も文化も理解できないけど、
なぜか惹き付けられるチベットのパワー。
理由は要らないんだろうな、きっと。
言葉で説明できないものほど、偉大で、すごいんだと思う。
頭で考えるより、心で感じるほうが
ステキな生き方じゃないかな?
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