フェリーに乗って、隠岐に行った！　その４

大きな汽笛を響かせ、フェリーは島を離れた。
甲板に出て、小さくなっていく知夫里島を眺める。
郷愁を感じながら、
今度はいつ来れるのだろうと寂しさを覚えた。
やがて見渡す限りの水平線が広がり、
時折、トビウオが舞った。

今日も暑くなりそうだ。
汗を拭い、涼を求めて船内に逃げ込む。
こうして隠岐の旅が終わりを迎えた。

しかし、ここからの帰り道は果てしなく遠い。
再び800キロのロングドライブが待っているのだから。

鳥取の境港で「すなば珈琲」に立ち寄った。
「スタバはないけど日本一の“すなば（砂場）”はある」と、
鳥取の平井県知事が発言したことがきっかけでオープン。
冗談っぽくはじまったが、今では10店舗を展開する
人気コーヒー店に。
その後、本家のスターバックスがオープンしたが、
しっかりと定着し、人気店となっている。

長い長いドライブ。
途中、何度もSAに立ち寄ってはちくわの散歩。
車酔いもしないし、これだけ移動できる
タフなタビイヌに育った。

ラジオから流れていた高校野球は
いつしかプロ野球のナイターに変わった。
渋滞につかまり、赤いテールランプを見つめる。
遠いなぁ。
旅の終わりと、終わらない家路への旅。
ちくわはぐっすり、夢の中にいる。