もうひとつの闘いがはじまる

カカルビッタを出発し、カトマンズへと向かったバスは
2時間のおまけをつけて、ようやく停車した。

乗車時間22時間、我ながらよ耐えたと思う。

 

首都カトマンズ

これで3日に渡るゲルマン人ばりの大移動は幕を閉じた。

<結果報告>
列車3本、バス7本
乗車時間:62時間

さて気を取り直して、背を伸ばして、
カトマンズに降り立った。
当然ながら土地勘はない。
客待ちをしているタクシーに聞いてみる。
300ルピー(約550円)と、完全に足元見まくり価格。
交渉すれど、背中の大きな荷物が彼らをつけ上がらせる。

もういい!歩くよ!
負け惜しみを言って、
街を彷徨うことにした。
道行く人に尋ねた結果、宿までは約5kmだと判明した。
荷物は30kg、しかも満身創痍。

どこまでも試練はつづく。
顔をしかめ、汗を拭いながら黙々と街を進む。

そして1時間後、念願の宿を確保した。

シャワーを浴び、洗濯をし、さぁひと眠りと思ったが、
カメラ片手に出かけてしまう…。
どうしても忙しくしたい性分で。

 

カトマンズの渓谷

ネパールの首都カトマンズは人口約75万の古い街。
王宮やヒンドゥー教や仏教の寺院など、歴史的建造物が多く残っている。
このカトマンズ盆地全体が、「カトマンズの渓谷」として
ユネスコの世界遺産に登録されている。
石畳の道、迷路のように入り組んだ古い町並みを
何度も迷子になりがなら歩いた。

さて、ネパールではぜひ挑戦したいことがある。
トレッキングである。
エベレストやアンナプルナなど、名高い山がネパールにはある。
さすがに登山は無理でも、少し山を歩いてみたいもの。
旅行代理店に足を向けた。
狙うは「ジョムソン」。
アンナプルナの麓にある村で、トレッキングで人気が高い。
周囲には古城やチベット寺院が残る村が点在しているので、
ジョムソンを起点に山歩きを楽しもうという計画だ。

旅行代理店にてカタコトの英語で熱意を伝え、
それに応えるようにステキなプランを用意してくれた。
アンナプルナを5日間歩くことになった。
ジョムソンまでは飛行機か、もしくは徒歩(1週間)
で行くしかないので、飛行機をチョイス。
眼下にヒマラヤを見ながらのフライトで
往復160ドルなら悪くない話だった。

 

ジョムソンへの準備

つづいて荷物を預ける宿が必要だ。
1泊10ドルの宿を2泊で13ドル、
さらに5日間の荷物管理付で用意してもらった。

最後にガイドは?
これも5日で160ドルという条件だったが、
懐事情がよろしくないことと、
英語でのコミュニケーションが苦手なことを告げ断わった。

5日後、もうひとつの闘いが始まろうとしている。
登山経験はほとんどなし。
しかも方向音痴で、英語もしゃべれない。
大丈夫だろうか??

でも、これは自分に課した試練である。
バングラデシュでデジカメを盗まれるという
失態を犯したことに対しての気の引き締めと、
アフリカ戦を見据えての気合の注入。

自然と向き合い、自己と向き合う。
いい時間の遣い方じゃないか。
つま先の一歩先に広がる大地を踏みしめてやろう!

 

旅のカケラ/slideshow

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