すべての出会いに感謝!

早朝6時、まだ眠たい目を擦りながら宿を後にした。
今日はマスツージという小さな村から
「チトラール」という街へと向かう。

 

断崖絶壁を今日も行く

チトラールの人々はイラン系・バダフシャン系で、
男性は“パコル”と呼ばれる
フェルトの帽子をかぶっているのが特徴。
クナール川とチトラール川の合流地点に沿って街は広がり、
パキスタンのヒンドゥークシュ最高峰
「ティリチ・ミール」(7708m)が展望できる街でもある。

 

目的地であるカラーシュ・バレーへの道のりはまだ遠く、
この街でもう1泊刻む必要があった。

さて、乗合ジープを捕まえ、
ありえない!断崖絶壁を今日も行く。
ここシャンドール峠はギルギット側の北部地域と
チトラール側の北部辺境州を隔てている標高3720mの峠である。

シャンドール峠からあチトラールのルートは風景がとても素晴らしく
バックパッカーに人気が高いルートだ。

 

太陽と睨めっこ

激しく車体を揺らすジープ、
ほんの数ミリハンドルを切り損ねれば
谷底へまっ逆さまだ…。
そんな緊迫した状況にも関わらず、
揺れが心地よかったため、すぐに眠りについてしまった(苦笑)
まぁ、これも旅慣れた証ということで…。

午後1時、
峠を越えたジープはチトラールの街へと滑り込んだ。
第一印象「暑い…」。
中国、キルギス、そしてパキスタンのフンザと、
約1ヶ月に渡って涼しい場所を渡り歩いてきたので
久々に太陽と睨めっこをした。

この後、カラーシュ・バレーを過ぎてしまえば、
パキスタン南東部、そしてインドと40度以上の世界が日常になる。
明日は最後の楽園へと足を踏み入れるわけだ。

 

世界は出会いに満ちている

昨日から仲間に加わったカズマ。
彼は25歳で、風貌はチーマー(汗)。
だけどのんびりと、柳が揺れるように話す。

カメラが趣味で、旅先では子どもの写真をたくさん撮っている。
すでに7ヶ月旅を続けていて、このあとはイランへ向かうらしい。
すぐに軽口を叩き合う仲になり、
いい仲間ができたことを嬉しく思った。

去り行く友がいれば、こうして出会う友がいる。
すべての旅が終わったとき、
日本でどんな顔して「よう!」と言えるのか楽しみだ。
世界は出会いに満ちている。しみじみ。

 

ドラマチックで面白い

チトラールでは、カラーシュ・バレーへ行くための
パーミット(許可証)を申請しに警察へ出向いた。
重い扉とはウラハラに、とてもウエルカムな空気に驚き、
改めてこの国のピースフルな人々が好きになった。

郵便局で珍しそうに切手を見ていれば
「持っていきなよ」とタダでくれちゃうし、
通りを歩けば「チャイを飲んでけ」と、すぐにおごってもらえる。
毎回の握手、意味もなくハイタッチ、
そして肩を組んで記念撮影。

すべての出会いに感謝!

そんな気持ちが伝わってくるようだ。
トモとカズマとは、明日の朝別れる。
ひとりチトラールでやらなければいけない仕事があるためだ。
すぐに後を追うよ、とだけ伝え、
行き先はまったく決めていない。

こんな広い世界でも、必ずすぐに会える気がするから
小さな約束や決め事はない方がドラマチックで面白い。

 

旅のカケラ/slideshow

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