ここはキルギス第二の都市「オシュ」。
中央アジア最古の植民都市で、
シルクロードの毛糸生産の拠点として栄えてきた。
中世になると、パミール高原を越え
タジキスタンのホログへ至る
パミール街道の起点にもなったそうだ。
バザールの賑わい
都市とは呼べないほどのどかな街だが、
終日開かれているバザールはアジアの混沌と、
ロシアの情緒が混ざり合って面白い。
どの店も大きなパンをたくさん並べ、
艶やかな衣装の女性が美しい。
クッキーやお菓子、色とりどりのスパイスは、
見ているだけで気持ちがウキウキしてくる。
キルギスに入ったばかりだが、
明日は首都のビシュケクまで800kmの大移動。
ここキルギスに来た本当の目的は、
パキスタンのビザを取得するためだから。
バスがない!?
しかし、早速ピンチ!
ビシュケクへの定期バスはないという…。
日本で言えば、ビシュケクは東京で、
ここオシュは大阪のようなもの。
なぜ、この2都市を結ぶバスがないのだろう。
トラブルをどう乗り切るかが、
旅の醍醐味であり、真価を問われる場面。
昨日のバスで知り合った「マーさん」と協力し、
タクシーのチャーターへと走った。
1人1200ソム(約4000円)と折れない運転手。
こっちの言い値は1人900ソム(約3000円)。
英語が通じないキルギス、
ガイドブックのロシア語とゼスチャーを駆使して応戦する。
約20人の運転手が群がり、道路はオークション会場と化した。
「KAZ、こっちは1000ソムだって」(マーさん)
「こっちは6人集めるなら900ソムだって」(KAZ)
そんなやりとりを1時間、
最終的に目標の900ソムでエスティマをチャーターした。
まあ、800kmを走ってくれるタクシーなんて
日本じゃ考えにくいし、しかも3000円だから驚きだ。
新しい仲間
マーさんもパキスタンのビザを求めてキルギスへとやってきた。
旅慣れた人で、巡礼やクライミング、
ファイヤーパフォーマンスをしながら世界中を回っている。
旅の経験値は違えど、不思議と気が合う。
「30歳を超えて旅をする人たちは、
覚悟が違っているから面白い」のだとか。
この旅ではじめて、旅を供にするパートナーに出会えた。
宿でマーさんはこんな話をした。
「実はこれが俺の最後の旅。
もうバックパッカーというスタイルは、
卒業しようと決めたんだ。こんな旅はいつまでも続けられるから
どこかで線を引かないとキリがない。
日本の社会に適応しながら、
もっと違うカタチの旅がしたいなって」(マーさん)
どこか兄のような存在のマーさん。
たくさんのエールと、
これからも続く旅へのノウハウをもらった。
彼と行動を供にできるのもあと1週間ほどだろうか。
未知なる国キルギスも、彼と一緒なら心強い。
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