もう、サンザンビア…

タンザニア3日、マラウィ3日と
2009年はアフリカを爆走中!
35ヶ国目「ザンビア」に入った。

 

国際バスで今日も国境越え

出発は午前6時。
マラウィの首都リロングウェから
ザンビアの首都ルサカを結ぶ国際バスに乗った。

運賃は6000クワチャ(約4200円)と高かったが
まぁ、国境越えの手間を考えたら納得の値段。
ルサカまでは約12時間、
本でも読みながらのんびり行きましょう。

『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』
(著/村上春樹)
今日はその下巻を読むことにした。

 

村上春樹

2つのパラレルワールドを舞台にストーリーが展開し、
村上春樹特有の哲学をファンダメンタルとした
いわゆる仮想現実や精神世界の物語だが、
世界観の描写がリアルなだけに、
自然と物語の世界に引き込まれていく。

1行1行、豊かな表現力と言い回しのタッチが小気味良く、
2つのストーリーが1つにつながっていく様は鳥肌ものだった…。
「すごいな」
いつ頃書かれた作品かを見てみると、えっ、昭和60年!?
『ノルウェーの森』しか知らない自分が恥ずかしくなった。
(しかも読んでない…)
山道がつづいたため、軽いバス酔いと闘いながら
夢中でページをめくった。

 

The Real Africa

さて、評論家でも読書家でもないので、話を旅に戻そう。
そう、ザンビア。
国名はザンベジ河に由来され、
豊富な水はいくつもの湖や湿地帯を形成して人々の生活を支え、
日本の援助による稲作の指導も行われているという。

「The Real Africa」
本当のアフリカ、というキャッチフレーズがあり、
広大な平原や台地はダイナミックな風景を作り出している。

マラウィを出国し、いざザンビアへ。
ビザは国境で取れるので余裕、余裕。
のんびりとした国境で、
これまたのんびりとした仕事をする係員。
あくびをしながら順番を待った。
「えっ、50ドル!」
昨年に比べビザ代が倍額になっていた。

この旅でいつも感じることだが、
世の中の物価が急速に上昇している。
ガソリンの高騰に端を発し、
宿もレストランも、観光地の入場料だって
毎月のように値上がりしていくから堪ったもんじゃない。
日本と違って一度値上げしたらしっぱなしで、
需要と供給のバランスなんて考えてないのではないだろうか…?

おかげで交通費はガイドブックに書かれてる金額の2倍!
特に年が変わるこの1月は値上げのチャンスなのだろう。
ザンビアのシングルビザは25ドルから50ドルに、
ダブルビザは40ドルから80ドルに値上がっていた。

「トランジットビザはないの?」
ためしに聞いてみたが、
あるけど、シングルと同じ50ドルだという…。
「たとえ1時間でも50ドルさ」
係員は強気だった。
ザンビアには3日しか滞在しない予定なので
このビザ代は高い出費である。

 

首都ルサカ

夕方に首都「ルサカ」に着き、安宿を探すも
どこも1泊1500円以上とこれまた高かった…。
それでもどうにか値切って1000円の宿にチェックイン。
重たいザックをおろし、ベッドに横になった。
荷物を解き、シャワーを浴びる準備をしていると
バチバチッ!!という音とともに電気が消えた。
なんだよ、停電かよ…。

ロウソクをもらおうと部屋を出ると、
不思議なことに他の部屋には明かりが灯っているではないか。
なんで、なんで?
フロントに尋ねてみるも、
トラブルの原因はわからないという。
いつ復旧するかもわからなければ、
誰も修理を行っていないそうだ。
それじゃ何も解決しないじゃん…!

ロウソクに火をつけてもらい、
肝だめしのように長い廊下を歩いた。
ビザは高いし、宿は停電だし、おまけに食事も不味い…。
もう、散々…

「サンザンビアだよ!」

ロウソクのほのかな明かりと、
蚊取線香の煙の中でぼやいた夜だった。

 

旅のカケラ/slideshow

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