なんなんだ、ウガンダ!!

ナイロビ発の深夜バスに乗り、
向かった先は「ウガンダ」。

年の瀬に迎える31ヶ国目である。

 

ウガンダへの道

定刻の20時ちょうどにバスは出発。
『カンパラコーチ』という会社の赤い大型バス。
シートはゆとりがあり、枕もついていて快適この上ない。
ウガンダの首都カンパラまではおよそ14時間だが、
ぜんぜん問題なし。
だって、気持ち良すぎて10時間も眠りつづけたもん。

■ナイロビ→カンパラ(ウガンダ)
乗車時間:14時間
運賃:1800シリング(約2200円)

ケニア・ウガンダの国境で起こされ、
眠い目をしばしばさせながら長い列に並ぶ。
パスポートを下敷きに、ライトを咥えながらカードを記入。
夜明け前の一番暗い時間を
寒さに身体を震わせながら順番を待った。

ウガンダビザは50ドル!
シングル(60日間)もトランジット(1週間)も同じ値段。
ついこの間までビザに学割があったのだが、
今は廃止されてしまった。
アフリカの旅はビザ代に泣かされるよ。

バスに戻り、もうひと眠り。
このバスならどんだけでも寝られる。
楽しみにしてたビクトリア湖も
とっくに通り過ぎてしまい、
いつしか渋滞に巻き込まれていた。
ウガンダの首都「カンパラ」に入ったようだ。

 

人ごみのカンパラ

バスを降りるとアジアの匂いがする街だった。
ごちゃごちゃして、土っぽい街の景観、
クラクションが鳴り止まない大渋滞、
そして、人、人、人…。
「こりゃあバングラデシュだな(笑」
懐かしい気分になった。

地図はあるものの、現在地がわからない。
わんさか寄ってくるバイクタクシーを捕まえ、
「ABCホテル知ってる人?」
と、逆指名でバイクにまたがった。

渋滞の間をスルスルとバイクは抜けていく。
気持ちはいいが、出会い頭に衝突しないか心配だった。
そして5分後、着いたかと思いきや、
「び、BBCホテルじゃん!!」

???
なんだよ、ここじゃないのかよ?
と言いたげな顔でおどける運転手。
「ABCだよ、エー・ビー・シー!!」

乗れよ、エンジンをふかし、再び渋滞の中へ。
途中何度も道を尋ねながら、その度に
「遠いな、金額アップな」
と繰り返しぼやく。
「ノー、ノー。約束したでしょ!」
自分の勉強不足を呪いなさい。

 

カスビ・ヒル

宿に荷物を置くと、まだ正午だった。
本当なら今日はのんびりする予定だったが、
バスで寝すぎたせいで元気!
じゃあ、世界遺産に行っちゃいますか♪

 

 

「カスビ・ヒル」
ここはガンダ王の墓で、かつてのガンダ王国の
初代カバカ(王)のムテサ1世から
最後のエドワード・ムテサ2世までの4代の
カバカが祭られている。
入場料10000シリング(約550円)を払い、
遺跡内へと歩を進めた。

 

ポツン―。
半径50mほどの円形広場に
小さな茅葺小屋が1つ。
そしてその周囲に三角屋根の小屋が8棟ほど。
シンプル イズ ベストとは言うが、
シンプル過ぎて、物足りなかった…。

 

 

人が住んでいる!?

 

違った意味の驚きはつづく。
メインの建物であるガンダ王の墓に入ると
数人のウガンダ人が昼寝をしていた。
中はひんやりとしていて気持ちいいからね。
まぁ、これくらいじゃ驚かないさ。

つづいて周囲にある王妃の墓を覗いてみた。
墓といっても、普通の小屋。
アフリカでよく目にする尖がった屋根。
英語で説明書きされたプレートを読み、
「ふ~ん、これが王妃の墓ねぇ」
と、扉を開けてビックリ!!
女性が料理をしていた。

えぇ~、どうなってるの!?
スイマセン…と、
なぜ謝らなければいけないのかもわからず
扉を閉めた。

えぇ~!? 今一度首をかしげる。
気を取り直して、隣の建物に。
ここも王妃の墓と説明書きがある。
扉を開けようとすると、子どもが2人飛び出してきた。
えぇ~!?
中を覗くと昼寝中のおじさん、きっとお父さんだ。
しっかりとベッドがあり、生活感にあふれていた。

そう、世界遺産である遺跡に人が住み着いているのだ。
メインの王募は集会所といったところか…。
遺跡の再利用?
一石(遺跡)二丁なんて言ってる場合じゃないよな。
腑に落ちないまま、その場を後にした。
もちろん、心のユネスコ、
世界がっかり遺産に登録したことは言うまでもない。

 

突っ込みどころ満載

腑に落ちないといえば、カンパラの街である。
アフリカにはポレポレという言葉があり、
“ゆっくりのんびり”という意味である。
まさしくそんな街。
まず、異常なくらい歩く速度が遅い。
これでもか!ってくらい人で溢れてて、
ロナウジーニョばりのフェイントで人を交わすも、
どいつもこいつもポレポレ歩き。
もし、改札の前でこんな人たちがいたら
間違いなくキレてるだろう。

つづいては道路。
なにこれ!ってくらいタクシー(ウガンダのバス)が
連なり、大渋滞を巻き起こしている。

↑全部タクシー(ウガンダのバス)

普通の車1に対して、タクシー9の割合。
どの車も人を満載しているが、あまりに動かないから
エンジンを切ってじっと待っている。
とても奇妙な光景だった。
その車の間をたくさんの人が縫うように歩いていく。

そしてスーパー。
夕食を買いに近くの大型スーパーに行った。
夕方ということで活気に満ちていて、
クリスマスソングがリピートしていた。
ウガンダはローストチキンが美味しいと聞くので
惣菜コーナーのケースに並んだチキンを買うことに。

「すいません」(よそ行きの声で)
店員(おじさん)はおしゃべりに夢中。
「スイマセン!」(よく通る声で)
上に同じ…。
「ス・イ・マ・セ・ン!!!」(語気を荒げて)
ん?ようやく客に気づき、ポレポレと近づいてきた。

「チキンをください」そう注文すると、
ハッと何かを思い出したように奥に消えた。

30秒後、
ニコニコ顔で登場した彼の頭には
真っ赤なサンタの帽子が!!

そんな演出いいから早くしてよね…(泣)
お金を渡すとおつりが全部小銭で返ってきた。
しかも銀行で渡されるような
包みに入った状態のコイン。
財布に入りきらない30枚ほどのコインを
仕方なくポケットに閉まった。

最後はレストラン。
ウガンダはシチューが旨い!
ビーフシチューが主流で、
毎日食べても飽きないくらいリスペクトできる。

でも、出てくるのが遅い…。
そりゃあ、じっくりコトコト煮込んだシチューは旨いよ。
でも、注文してから煮込むのはカンベンしてよ。

40分待って、ようやく運ばれてきた。
ハッ!?これが旨さの秘密だったか…
って思うしかない。

帰り際、レジで受け取ったのは
またしても大量のコイン…。
もう、カンベンしてよ。
ポケットをジャラジャラ言わせながら
店を後にした。

なんなんだ、ウガンダ!!

 

旅のカケラ/slideshow

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