花の都へ ~後編~

エチオピアの首都
「アディスアベバ」へと向かっている。

 

いつもの時間だ

 

昨日はラリベラからテシエという街まで移動し、
1泊刻んでまた同じバスに乗り込む。
宿は各自で探すため、
バスターミナル近くの宿をとった。
「ホットシャワー」という謳い文句に惹かれ
この宿を選択した訳だが、
これが真っ赤な嘘!
水すら出なかった…(泣)

 

ここが日本ならJAROに訴えていたが
ここはエチオピア。
今さら重い荷物を背負って移動する気にもなれず
美味しい食事を摂って気持ちを落ち着かせた。

シェラフの中で震えながら目を覚ました。
午前4時、いつもの時間だ。
顔を洗おうにも水が出ない…もうっ!
仕方なくペットボトルの水を使った。
6ブル(約60円)もするのに(怒

 

花の都への12時間

バスに乗り込み、出発を待つ。
今日はあいにくの雨模様。
充電で元気になったiPodを耳にあて
前列のシートにうつぶせて眠った。
1時間待った後、
満員の乗客を乗せてバスは動き出した。
雨のせいで道はさらに悪かった。

何度も窓に頭をぶつけ、
砂埃に咳き込み、雨漏りに眠りを妨げられた。
聞き飽きた音楽を何度もリピートし、
カメラをしっかりと抱えたまま
うとうとと過ごした。
そして12時間後、花の都が見えてきた。

アディスアベバとは、
アムハラ語で“新しい花”。
ちょっとロマンチックな響きだ。
街はごみごみしていて名前負けしてる感はあるが、
久々のネオンに心躍った。

 

タルトゥ

1886年、エチオピア皇帝メネリク2世により
建設された街で、この場所は
皇妃のタイトゥ・ベトゥルが選んだという。
街にはアフリカ1大きいと言われる
マルカート(市場)もある。

宿はガイドブックに載っていた
『タルトゥ』を選んだ。
本にはこう記してあった。
「メネリク二世の妻、
タイトゥ皇后が建てたホテルで、
アンティークな調度品にこだわっている」
と。

これは期待できる!

値段も42ブル(約420円)と手頃だ。
フロントで鍵をもらい、部屋の扉を開けた。

…!?
あんぐりと口も開いた。
質素、簡素、貧素
調度品なんてありゃしない。
じめっとしていて、薄暗い部屋だった。
「エチオピアですから」
そう何度もつぶやき、もう1つの期待にかけた。
そう、ホットシャワー。
蛇口をひねる、待つこと1分、
熱い、熱いお湯が勢いよく噴出した!!
や、やったよ、、、初のホットシャワーだ(喜

浴びたよ、心置きなく。
指先がふやけるくらいに(笑
都会は苦手だが、文明から離れすぎるのも問題だ。

 

旅のカケラ/slideshow

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