青ナイル、白ナイル

スーダンの首都ハルツーム。

名前の由来はアラビア語の「象の鼻」で、
かつての象牙の取引の中心地であったこと、
そして青ナイルと白ナイルの合流点が
象の鼻のようであることからこう名付けられた。

 

青と白が出会う場所

白ナイルはウガンダのビクトリア湖から流れ出て、
スーダン南部の大沼沢地を通りハルツームへ。
一方、青ナイルはエチオピアのタナ湖から流れ出ている。
この2つのナイルがハルツームで合流して本流となり、
まっすぐエジプトのカイロまで続き、
遠く地中海へと注ぐ。

青と白が出会う場所、
見に行こうじゃないの!

宿を出たのは午前10時、
二度寝をしてしまったため
出発が遅れた…。
スーダンの日差しはキツく、
この時間はもれなく太陽に炙られる。
サンダルに巻きスカート、
さらに日除けのショールを肩にかけた、
貴婦人ないでたち(笑
異国ならではのコスプレで街を行く。

 

ナイル目指して

スーダンでは、街角に
チャイ売りの女性が座っている。
木陰に椅子を並べ、
小さな薬缶で、グラスにチャイを注ぐ。
暑いときは熱いものを、
確かに分かる気がする。
1杯0.5ポンド(約20円)
ひと息つくにはちょうどいい。
指先でグラスをつまんで
クイっとそいつを傾ければ、
安堵の溜息が自然とこぼれる。
そう、熱い湯船に浸かったときと同じだ。

チャイ屋を後にし、
ナイル目指してひた歩く。
ジリ、ジリ、ジリ、
頭のてっぺんからつま先まで
太陽に焦がされていく。
口数はすっかり減り、
自分の影を踏みながら、黙々と歩いた。

 

心のカメラに

大きな橋が見えてきた。
「ホワイト・ナイル・ブリッジ」
どうやらここがお目当ての場所のようだ。
橋のたもとには警察官が立っていた。

「ナイルの合流地が見たい」と、
身振り手振りで伝えると、
指先でついてこいと合図を返した。

草木をかきわけ、土手へと降りていく。
畦道を横切り、ナイルへと近づいた。

白というよりは、にごった鼈甲色
青というよりは、よどんだ翡翠色
でも、くっきりと境目が見えた。

おもむろにカメラを取り出すと
2人の警察官がラ、ラ(ダメ、ダメ)と
人指し指を左右に振った。

え、どうして??

ラ、ラ、ラ!
どうしても撮影を許可してもらえなかった。
スーダンでは、街中での撮影は禁止で、
政府の許可証があれば観光地でのみ
撮影が許される。
もちろんその許可証は取得しているが、
「ここは観光地じゃない!」と、
警察官に跳ね除けられてしまった…。

残念。心のカメラに焼き付けておきましょ。

↑隠し撮りした写真

スーダンに入って1週間、
ちょっと名残惜しいが
明日からはエチオピアに向けて出発する。
おそらく3、4日は移動に費やされるだろう。

タフに行こう、
そして
ポレポレ(のんびり)行こう!

 

旅のカケラ/slideshow

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