ハルタビ ’23(イギリス編) ♯12(fin.) Let It Be

MH1
21:35 ロンドン→17:50 クアラルンプール

13.5時間の長いフライトは、ほぼ寝て過ごした。
離陸前に眠気に襲われ、なんとか機内食を2回食べたが
それ以外はぐっすり眠れた。
よっぽど疲れが溜まっていたのだろう。

 

夜明けが訪れるまで、あるがままに

クアラルンプールで5時間のトランジット。
すぐにSamaSama loungeに行き、シャワーを浴びた。
軽く食事も摂り、温かいカプチーノで寛ぐ。

3時間までしか滞在できないのでスタバに場所を移し、
静かに搭乗時刻を待った。
帰国便は一気に日本人が増えるので、
もうすぐ日常に戻ることを強く時間する。

MH 88
23:30 クアラルンプール→7:40 成田

最後のフライトがはじまった。
この夜が明けると、日常が待っていて
そのまま出社となる。
夢の時間はすでに終わり、今はわずかなモラトリアム。

機内では写真を見返しながら旅を反芻する。
今回のテーマは朝食とパブ。
5カ国でフルブレックファーストを食べ比べした。

↑アイリッシュフルブレックファースト(アイルランド)

↑ノースアイリッシュフルブレックファースト(北アイルランド)

↑スコティッシュフルブレックファースト(スコットランド)

↑ウェルシュフルブレックファースト(ウェールズ)

↑イングリッシュフルブレックファースト(イングランド)

正直、そんなに違いはなかったが、
なるべくローカルな店を探して訪れたので
思い入れは強い。
すべての店を開店と同時に入ったこと、
1軒も定休日の店がなかったことは奇跡だ。
朝食のための旅、いいコンテンツだった。

 

 

パブもすべての国で訪れた。
飲みに行く習慣がないのでパブは未知の場所。
しかも異国でパブ巡りをするとは思わなかった。
敷居が低くて、
夕食やカフェ利用といった普段使いできるし、
マダムやおじいちゃんたちの笑顔が印象的だった。
そして雰囲気に酔いしれた。

 

終われない旅?

窓の外は明るくなり、すでに成田の上空。
一度は降下体勢に入ったものの、
すぐにそのまま上空待機のアナウンスが入った。
「ただいま天候不良のため」と。

20分ほど経ったのち、モニターのフライトマップが変更された。
えっ、目的地が関西空港になっている!?
アナウンスが入る。
「当便は関西国際空港に向かい、燃料補給を行います」
1時間半のフライトが追加された。
もうすぐ勤務時間なので焦る。

関空に着陸し、給油が始まった。
このまま機内待機のため、P Cを取り出し業務開始。
幸いネットが繋がるので仕事はできそうだ。
1時間が経った頃、嫌なアナウンスが流れた。

「機長の連続運行時間が規定を超えたため、機長を交代します。
現在、羽田空港から向かっていますのでお待ちください」

羽田から? C Aに聞いてみると5時間ほどかかるという。
おいおい、いったいいつ帰れるんだ?
機内がざわつき始めた。

事態はどんどん悪化し、さらに悪いニュースが入る。
代わりの機長が見つからないため、
明日のフライトになるとアナウンスされた。
今からホテルを用意します、と言われたが、
明日のフライトの確約はできないとか。

明日は朝からアポイントもあるため、
どうしても今日中に東京に戻る必要があった。
自力で帰る旨を伝えると、
成田までの交通費は後日請求できると言われたので
補償に関する紙を1枚受け取り、機体から出ることを許された。
大半の日本人は同じように自力で帰る選択をしたようだった。

すでに正午を回っている。
会社には事情を伝え、仕事をしながら帰宅することに。
こんな大きな荷物を持って移動は辛いので
すぐには使わないものはスーツケースに詰め込み
空港から宅配便で送ることにした。
幸い、クレカの特典があり無料で送れたのはありがたい。

特急+新幹線のチケットを購入し、東京へ。
到着時刻は17時なので、
ロンドンから丸2日ほど移動している計算だ。
もう疲労困憊。

 

Let It Be、Let It Be、Let It Be…

ひどく疲れていた。
仕事のメールがとめどなく届くので
すっかり現実に引き戻されてしまった。

補償についても不透明で、
用紙に書いてあった番号に電話をしたが
やっと繋がった電話は英語だし、マレーシア航空の公式サイトから
問い合わせのメールを送ってくれと言われてしまった。
今、自力で帰っている日本人は、
この難解なミッションをクリアできるとは思えなかった。

慌ただしくはじまった旅は、
再び慌ただしく幕を閉じた。
今もまだ補償の問題は解決できておらず、
メールでやり取りをしている。

これまでもたくさんのトラブルを経験してきたが
今回ほど思い通りに行かなかったことは初めてだった。
目標にしていた100ヶ国を巡ったが、
まだまだ旅のスキルは磨く必要があるようだ。
終わらない旅、だから面白い。

ざわつく心を落ち着かせるように、
疲れた身体を癒すように、
そっと“Let It Be”を口ずさんでみる。

Yeah, there will be an answer
Let it be
(そうさ、そこに答えはある “あるがままに”)

やっぱり名曲だよね。
自分と向き合って、あるがままにいられることが
旅をすることの本当の答えなのだろう。
悩んで選択し、もがき苦しんだ分だけ
なるようになるし、
諦めたら、結局なるようにしかならない。

果たして、この旅はどうだっかかな?
大丈夫だよ、きっと。Let it be…

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