ナツタビ’14 (ボルネオ編) #07 涙がキラリ☆

その1歩に強い意志があり、
その1歩にあきらめが滲む。

 

キナバル登山、はじまる

今日はこの旅のハイライト、キナバル登山に挑む。
標高4095m、1泊2日のアタック。
ちなみに登山経験は皆無w

午前9時にキナバルパークに到着。
手続きを終え、山岳ガイドをアテンドされて出発。
今日は3500m付近にある山小屋まで登る行程だ。

登り始めてわずか1時間、右膝が悲鳴を上げた…。
半月板を痛めていて、手術は回避したものの、
まだ登山はきつかったらしい。
それでも右膝をかばいながら登っていくと、
今度は左膝が痛くなってきた(泣)

 

鉛のように重たい足

キナバルは初心者でも登りやすい山だとか。
たしかによく整備されているが、
3500mまではほとんどが岩の階段だった。

大小さまざまな岩が飛石状になっていて、
足場を確かめながら、ひたすらに登っていく。
標高差2000mを「一気に!」だ!

膝の痛みに耐えながら
それでも1歩、また1歩と足を前に出す。
もう足取りは、鉛のように重たい…。

痛みはいつしか鈍さに変わり、心にのしかかる。
見上げればひたすらに続く岩の道。

「何の罰ゲームだ!?」

肩で大きく息をしながら、逃げ出したい衝動と闘っていた。
1歩進むための気持ちを振り絞る!
終わりの見えない辛さを人生と重ねてみる。

「あきらめれば楽なのに…」

生きてく中で、そんな囁きに
心が揺さぶられる瞬間は多々ある。
その1歩に意志を込められるかで
この勝負は決まる。

 

自分との対話

ふと、なんでこんなことをしているのか考えてみた。

誰かに褒められたいから?
誰かに自慢したいから?
強くなりたいから?

うーん、どれも違うなぁ。
多分意味はないし、意味を探す必要もない。

「ただ、なんとなく」

これが答えだ。
いちいち意味を考えていたら、
世の中ムダなことばかりで何もできなくなる。
なんとなく、でやってみて、
あとから意味がついてこればいいんじゃないかな?

人生でベスト3に入るくらい、
辛く長い6時間が過ぎた。
こんなに重たい1歩はないってくらい、
何度もえいっ!と踏み出した。

だから、ゴールした感動は
言葉で言い尽くせなかった。

そして、キナバルの空を染めた夕陽は、
最高のエールだった。

 

スタートライン

明日は山頂に挑む。
ゴールも束の間、数時間後には
スタートラインに変わるから無情だ。

同部屋の彼が薬を1錠くれた。
マッスル、リラックス!
と、説明しながら。
恐る恐る飲んで、そのままベッドに潜りこんだ。

たしかに鉛のような身体は楽になった。
ただし、強烈な胃の痛みと引き換えだった…。
そして、ほとんど眠れないまま、
出発の時間を迎えることになった…。

 

旅のカケラ/slideshow

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です