静かで、快適な朝。
キンキンに冷えた部屋でベッドに寝そべり
高い天井と、静かに回るファンを
ぼんやりと眺めていた。
夏休みの終わり
短い夏休みが終わり、
日本へと帰る日が訪れた。
荷物はまとまっているので
あとは空港に向かう迎えを待つだけだ。
いつだってこの瞬間は諦めに似た境地で、
切なくて、胸が締め付けられる。
ここホイアンから車で45分、
隣町のダナン空港からまずはホーチミンへ向かう。
昨夜、予想外のフライト変更になり、
出発が6時間も早まってしまった。
本来なら朝から3時間半のスパを予約してあり、
楽しみにしていたのだが、泣く泣くキャンセル…。
粘り強く旅をアレンジ
VJ641
11:40(ダナン)→13:05(ホーチミン)
飛行機はやや遅れ、
ホーチミンの空港に着くと14時だった。
日本行きのフライトは日付が変わった0時なので
これから10時間もある。
フライトの変更で大きく予定は狂ったが、まだ立て直せる。
昨夜ネットで情報を集め、
空港での待ち時間を利用したスペシャルな計画を立ててあった。
まずはロッカーに荷物を預け、
調べておきた「BAY」というスパに向った。
情報がほとんどなかったので不安だったが
すぐに見つかり、しかも空いていた。
メニューを見ると180分のコースがあり、
ボディマッサージ、フットマッサージ、ヘッドスパのコースで
なんと5500円!
時間も潰せるし、これは良い。
スパを終えるとすっかり夕方。
さっぱりとしたし、このあとの長いフライトもぐっすり眠れそうだ。
すぐ隣にスタバがあり、
ここでチェックインまでの時間を過ごすことにした。
恐る恐る仕事のメールを開き、
少しだけ仕事をし、日記を書き、
ネットで野球をみていると
すぐに時間が過ぎた。
こんな旅の終わりもいいものだーー。
波乱のラストシーン!?
VJ822
0:05(ホーチミン)→8:00(成田)
で、帰国する予定だった…。
理由は不明ながら、遅延を繰り返し、
0:40、1:30、2:30、5:40と
どんどん出発時刻が変更になり、
もう、空港についてから16時間が過ぎていた。
「2年前のカンボジアと同じだよ…」
あのときも8時間の遅延があり、
空港で朝を迎えている。
予定調和とはいかない、それもアジアの旅。
もう、流れに身を任すしかなく、
眠たさと疲れ、
仕事への焦燥感にかられながら、
フライト情報の画面を見つめていた。
空が明るくなってきた午前6時、
搭乗便のクルーたちが颯爽と
ゲートをくぐっていった。
まるでアベンジャーズの登場のようで、
勇気が湧いた。
「ナリータ、オープン」
長い夜の終わりを告げるアナウンス。
あとはこのクタクタになった身体を
狭い機内に押し込み、
頭のスイッチを切ってしまえばいい。
旅の余韻を楽しむのは、
…….少し先になりそうだ。
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