川連こけしは「木地山系」に分類される、
旧皆瀬村木地山地区を産地の中心とする系統のこけし。
胴と頭の続いたつくりつけの構造や手絡が特徴である。
川連こけしの中でも人気なのが
阿部木の実工人のこけし。
「こけし界の妖精」と呼ばれ、
2年に一度東京で開催される
展示会では即完売だとか。
そんな阿部木の実工人のこけしを
縁あって3体入手できた。
阿部木の実工人は、父の阿部平四郎工人、
母の陽子工人から型を受け継ぎつつ、
伝統こけしに新鮮なイメージを反映させた
本人型を生み出している。
今回手に入れた2体は「どんころ」。
父・阿部平四郎工人がつくる
小寸のやや太胴の作り付けこけしのことを指し、
「どんぶくを着てころっとした
子供の姿をしたこけしであるから」
と名づけたもの。
どんぶくとは防寒用に着る綿入れ胴着のことである。
親指ほどの小さなこけしで、
胴には蛍や魚が描かれている。
そして、へたうまな表情はこのこけしの最大の魅力。
もう1体は4寸ほどの大きさで、
おそらく小椋石蔵型。
艶やかな彩色が施され、
もはや現代アートのようだ。
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