悪路を行くジープ。
砂煙をこれでもか!
と巻き上げながら
激しく車体を揺らしながら国境へ向かった。
未舗装の一本道を
キルギスのオシュから中国との国境に位置する
「イルケシュタム」へ。距離は約300km。
未舗装の一本道を延々と進んだ。
キルギスと中国を結ぶ国際バスがあるのだが、
週に2本しか運行しておらず、
しかも26時間もかかるためパス。
自分たちでジープをチャーターし、
国境を抜けることにした。
料金は1台110ユーロ。
ひとり頭4000円ちょっとという計算になる。
しかも、バスと違って国境での手続きが面倒じゃない。
もう一刻も早くキルギスを抜けて、次の国へと向かいたいのだ。
イルケシュタム
車の天井に頭をぶつけ、
内臓がひっくり返りそうになりながら
変わらない景色を眺めていた。
ジープもかなり悲鳴をあげている様子で、
途中何度もオーバーヒートし、
そのたびにエンジンを水で冷やしながら、
騙し騙し走らせていた。
13時に出発してから7時間、
ようやく国境の町「イルケシュタム」に辿り着いた。
砂煙と疲れのなかで
ふらふらになりながら車を降りる。
辺りはすっかり暗闇に包まれていた。
ここは町というか、
コンテナハウスが集まっただけの無機質な空間。
大きなトラックが無造作に止めてあり、
戦場のようなものものしさも漂っている。
裸電球の下で砂まじりの食事を済ませ、早々に床に就いた。
明日の朝イチで、中国に入境する。
こうしてキルギス最後の夜は、
砂煙と疲れのなかで過ぎていった。
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