昨日はカザルマンまで行きながら、
雪のため道が寸断。
仕方なくナルンへと戻ってきた。
1200㎞の大移動
お金と時間を大幅にロスしたので、
今日は大移動を試みることに。
ナルン→ビシュケク→オシュ。
全1200kmを一気に駆け抜ける。
まぁ、列車やバスなら今まで何度も経験した移動距離だが、
なんせここは中央アジアのキルギス。
移動手段は1日1~2本の乗合バスか、
悪名高いタクシー(白タク)のみ。
だから時間もお金もまったく読めない…。
あのタクシードライバー
実は朝からひとつ博打を打ってあった。
昨日、さんざんぼっていったあのタクシー運転手。
帰り際に「明日、ビシュケクまで乗せていく」と言いだした。
お金がないことを涙ながらに訴え(嘘を付いて)、
2000ソム(約7000円)もまけさせたのに、
バスと同じ300ソム(約1000円)で
ビシュケクまで乗せていくと言う。
彼の優しさか、それとも罠か?
いいよ、どっちがうわ手か勝負しようじゃないの!
午前9時、その彼が迎えに来た。
車はアウディ。
時速130kmで風を切る。
早い!早い!
次々と車を追い抜き、牛や羊を蹴散らす。
もうここでいい!
往路はバスで7時間かかった往路を、
復路はたったの4時間でフィニッシュ。
案外いいヤツかも?と、思ったのも束の間、
ビシュケクの街に入るなり
「ここからはプラス200ソム(約700円)だ」
と、ニヤつきだした。
ストップ!もうここでいい!
と、車を停めさせそそくさと荷物を担ぐ。
本当にこの国の移動は疲れるというか、
がっかりさせられる…。
路面バスに乗り換え、バザール会場へと向かった。
本来ならバスステーションで乗合タクシーをチャーターするのだが、
だんだんこの国のやり方がわかってきた。
バザールには地方都市からやってくる業者が多い。
それを利用すれば安く済むはずだ。
交渉成立
1週間前、オシュからビシュケクへは
900ソム(約3000円)でやって来た。
とはいえ、5人もの頭数を用意したうえ、
1200ソム(約4000円)という彼らの言い値を
1時間かけてディスカウントさせた結果だ。
今はふたり。
バザールへと向かった選択は見事に的中した。
「1500ソム(約4800円)!」(運転手)
「クンバット!(高いよ)」(KAZ)
「じゃあふたりでどうだ」(運転手)
交渉成立。しかも車はベンツ。
夜間に走るというから宿代も浮くし、いい風向きだ。
今日も空には
またこの車中が楽しかった。
陽気な運転手に加え、
ふたりのムスリム(イスラム教徒)が同乗。
日本人が珍しいのか、一生懸命話しかけてくる。
―出身はどこだ?トウキョウか?ナガサキか?
なぜに長崎?
―ジュウドウ?スモウ?
いやどちらもやってません…。
―ハラキリ、カミカゼ、ヤクザ、、、
でた!日本の間違ったイメージ。
2時間おきに車を停め、
西の方角に向かってお祈りをする。
その姿が夕日の中でシルエットになり、
一段と神々しかった。
途中、2度パンクしたことも、
今日だけで20時間も車に乗っていることも、
美しい景色と、温かな空間が帳消しにしてくれた。
キルギスっていいかも。
今日も空には満天の星が輝いている。
コメントを残す