初めてイランに行った際、
何気なく買った一枚のキリム。
そこから絨毯の魅力にはまり、
世界各地で絨毯を見て歩くようになった。
最初の一枚
イランのタブリーズでたしか500円くらいで
購入したキリム。
このときはまだキリムという言葉も知らなかったし、
その後魅了されるギャッベの存在も知らなかった。
荷物になるのは嫌だからとなるべく小さな一枚を手にした。
洞窟みたいな店で買ったので色もよくわからず、
砂か埃かわからないが煤のようなものがたくさんついていた。
あまりに安かったので、
たしか他の店でももう2枚ほど買ってお土産として配ったと思う。
キリムとは平織りの織物で、
ウールの平織りのもの全ての総称である。
トルコが主な産地らしく、
イランではグチャンキリムが有名。
幾何学モチーフが連なる伝統柄が多く、
落ち着いたトーンのものをよく目にした。
薄くて軽いので壁にも飾れそうだが、
我が家では空気清浄機の下敷きにしている。
絨毯の魅力
その後、タブリーズやエスファハーンの
バザールを歩いていると、たくさんの絨毯を目にした。
ペルシャ絨毯は知っていたが、中でも気に入ったのがギャッベ。
ギャッベとは、ザクロス山脈を遊牧しているカシュガイ族が手織りする、
草木染の羊毛を使った毛足の長いカーペット。
厚みがあり、キリムとは違ってずっしりと重い。
昼夜の寒暖差の激しい気候から生み出されたギャッベは、
冬は暖かく夏は涼しいので
イランでは一年を通して重宝されている。
モスクにはビックリするくらい繊細で、大きなギャッベが敷かれていた。
バザールの絨毯店で深夜までギャッベを眺め、
相場もよくわからないまま、
散々交渉をして気に入った一枚を購入した。
思えば、ここから絨毯、中でもギャッベ熱が始まった。
そのとき購入したのがこの一枚。
かなり値切って5000円位だった。
本当かはわからないが、かなり古いものらしく、
小さいのにとても高かった。
こっちなら安くするよ、と違う柄をたくさん見せてくれたが
どうしてもこの一枚が気に入ってしまい、
2時間の交渉の末に手に入れることができた。
手触りがよく、なんとも言えない風格がある。
アンティークな山羊(鹿に見えるけど)が印象的で、
絵画のように飾りたくなるギャッベだ。
熱意に負けたのか、
小さいサイズのギャッベも一枚おまけしてくれた。
こちらは幾何学模様で、どこかの地方のものなのだろう。
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