クエンカは、エクアドル中南部にある第3の都市。
標高は約2500mでアンデス山脈中の谷に位置する。
正式名称は
サンタ・アナ・デ・ロス・クアトロ・リオス・デ・クエンカ
と、覚える気にすらならないほど長い…。
時の流れが止まったクエンカ
丸石で舗装した道路、塔のある教会、
大理石や漆喰の建物が植民地時代の雰囲気を醸し出していた。
1999年、ユネスコの世界遺産に登録されている。
人口の多くをインディヘナが占める街で、
民族衣装で歩く姿を見かける。
17世紀のままの街並みだし、
時の流れが止まってしまったような錯覚に陥る。
本当は朝イチで街歩きを始める予定だったが
連日の移動で身体は悲鳴をあげていた…。
今夜も12時間の夜行移動が待っているので
大事を取って昼下がりに観光を開始した。
石畳に響く靴音
そもそも、ここクエンカは旅のルートから一度は外した場所だった。
もうすぐゴールとはいえ、南米大陸はとてつもなくデカイ。
移動に相当な時間を割かれてしまうため、
あれもこれもと観光していたらキリがなく、
毎晩のようにスケジュールを組み立てて旅をつづけている。
なのに500kmの逆戻りしてまでこの街を訪れた。
クエンカの引力に負けて…。
でもはっきり言える、
「来て良かった」と。
あの角を曲がったら何があるんだろう?
そんな期待をいくつもくれる街。
コツコツ、石畳に響く靴音。
今にも馬車が駆けて来そうだ。
カラン、カランと教会の鐘が街に響くと、
すぅーっと喧騒がどこかに吸い込まれていく。
こんな街に暮らしてみたくなった。
世界一のバナナ
エクアドルと言えばバナナ!
好きな果物は、バナナと柿と梨。
さっそくメルカド(市場)でバナナをひと房買うと
これが驚きの20円!?(安っ)
食べてみてさらに驚いた。
めっちゃ旨いじゃん…(驚愕)
糖度が違うね、コレ。
バナナの糖度を“ナ”で表すならば
今まで食べて来たのはバナナ、
でも、エクアドルのは
バナナナナナナナナナナナナナ―!!!
って感じ。(わかる?)
もうちょっと解説すると、
最初のひと口でツンと甘みが立って、
噛んでるうちにジワジワ広がる。
でも、咀嚼し終えると甘みがすぅっと引いて
さわやか。で、もう1本手を伸ばしちゃうわけ。
不味いバナナは、
水分が少ないぶんモタれた感があるんだけど
こいつは違った。
パティシエが作るスイーツだ。
以前日本で流行った高級バナナもこんな味だったのだろうか?
あの1本100円ってやつ。
気を良くし、今度は教会の前で売られていた
バナナチップスに手を出した。
ひと袋50セント。
バナナひと房が20セントなのに
ちょっと腑に落ちないが、まぁいいや。
食べてみると、残念な結果だった…。
あの強い糖度は見事に消され、
やたらモタれるポテトチップスを食べている感覚。
ジャガイモをバナナで代用したことで
風味もなく、嫌~な感じでお腹が張る
ただの膨らし粉状態だった。
こいつは食えんか…(クエンカ)、
な~んて下らないことを言いながら散策はつづく。
夜行バスを探しに
午後4時、無情にも大粒の雨が落ちてきた。
滑る石畳の上を慎重に歩き、宿に逃げ帰った。
雨の旧市街も情緒があったけどね。
夜行バスの出発を早め、20時台に乗ることにした。
ターミナルに向かうためタクシーをお願いすると
「もうバスのチケットは買ってあるの?」
と、マリアン(女将さん)に尋ねられた。
「いや、まだだけど…」
それなら良かった。ここのバス会社にしなさい
と、紙にペンを走らせる。
「フロータ エンブ…(読めない)」
わかった、フロータなんとかだね。探してみるよ。
ターミナルには10社以上バス会社があり、
その一角に教えてもらったバス会社があった。
他社はしつこいくらいに客引きをしているのに
この会社はのんびりと構えていた。
「キトまで」
座席はガラガラ、好きな席を選んでいいと
パソコンの画面を見せてくれた。
一番後ろの席にした。
キトまでの所要時間は約10時間、
運賃は他社よりも高い12ドルだった。
バスに乗ってわかった。
ここを薦めてくれた理由、そして少し高い理由が。
座席が広く、シートもリクライニングする。
セキュリティもしっかりしていて
乗車前に乗客1人ひとりの顔をビデオ撮影していた。
エクアドルのバスは盗難が多いと聞いていたので
こういうバスなら少しは安心だ。
6日連続、半日以上を乗り物の中で過ごしている。
もう身体は疲れきっていて、
車内はガラガラだったので2席使って横になり眠った。
キトにいったら1度休憩しよう。
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