人口200万人を抱えるエクアドル最大の都市
「グアヤキル」
グアヤス川に面した港からはコーヒーやカカオ、バナナなどが積み出され
遠く日本にも運ばれている。
また、野口英世が黄熱病の研究をしていたのもこの地だったとか。
雨の街歩き
「ガラパゴス諸島」を目指すべくこの街へやってきたが
悩んだ末に“行かない”ことを決意した。
未来なんてホント紙一重。
岐路ってほどではないが、1つの選択によって大きく変わる。
ガラパゴスに未練がないわけではないが、
出した答えを尊重し、今を楽しまなければ損だし、
悩んだ時間が無駄になる。
まずはグアヤキルの街を散策してみますか。
雨だった…。そして蒸し暑い。
日本の梅雨を思わすこの街の気候。
傘を持っていないので、カメラを濡らさないように
Tシャツに忍ばせて壁づたいに歩いた。
時折、地図を出して現在地を確認するも
雨でしなしなになってしまい、そして面倒になってきた。
いいや、適当に歩こ。
イグアナ公園
大きなカテドラルが見えてきた。
ネオ・ゴシック様式の…と解説があったが
よくわからない。
高い天井、美しいステンドグラス、
おっ!と思えたから見た価値があったってもんだ。
街の中心にセミナリオ公園がある。
またの名を「イグアナ公園」という。
園内の木を見上げると、いた!
イグアナたちが木のてっぺんにいた。
餌の時間になると降りてくるらしいが、
雨の中で待つのも億劫だったのでパスした。
グアヤス川沿いは遊歩道になっていて
「マレコン2000」というエンターテインメント・スポットで
博物館やレストランが建ち並んでいる。
晴れてたら気持ちいいんだろうな…。
2,3枚写真を撮ると、そそくさとその場を後にした。
どこに向かおうか?
雨の日の街歩きは、疲れるばかりで
今ひとつ気分が乗らない…。
ならば、と急ぎ足で宿に戻り、
次の街に移動することを決めた。
タクシーでバスターミナルに向かい、
50社ほどあるバス会社のブースの前でしばし悩んだ。
「どこに行こうか?」
選択肢は2つで、
北東に向かって「リオバンバ」を目指すか、
南東に向かって「クエンカ」を目指すか。
リオバンバには、世界で唯一屋根に乗れる列車があり、
クエンカは17世紀の街並みが残る旧市街が魅力。
理想のルートは、
グアヤキル→クエンカ→リオバンバだが、
両方の街を訪れる時間はないのでリオバンバを選択した。
クエンカまで南に下ってしまうと、
次のキト(首都)への移動がしんどいという理由もあった。
たぶん、疲れているのだろう。
連日の移動で身体が重たい。
いつもなら、旧市街に惹かれて元気に移動をしていたはず。
なのに近道を選んでしまった。
すり減っていく気力と体力
ここまでの南米のバスは、日本以上に快適だったが
エクアドルに入ってアジアレベルに下がった。
しかもアップダウンの激しいアンデスの山道…
ひとりで長時間移動していると
体力も気力も磨り減っていく。
グアヤキル→リオバンバは
所要5時間、運賃4.5ドルだった。
この国のバスは安い。1時間乗って100円という感じ。
荷物をしっかり抱えたまま、すぐに眠りに落ちた。
バスはのろのろとアンデスの渓谷を縫うように進む。
長距離バスにも関わらず、
バス停もない場所で人の乗り降りがある。
うん、アジアだ。
そのためバスは遅れ、6時間後にリオバンバに到着した。
リオバンバ
雨の夕方。リオバンバの街並みは
コロニアルな教会や建物が多く残っていて、
街頭や車のライトが雨ににじんでキレイだった。
宿は奮発して12ドルの『トレン・ドラード』に決め、
熱いくらいのシャワーで移動の疲れを癒した。
そうそう、グアヤキルとは違ってリオバンバは寒い。
気温は20℃以上も下がった。
雨の中、駅へ向かった。
「屋根に乗れる列車」のチケットを入手しなければ。
窓口で駅員は開口一番こう言い放った。
「ないよ」
なぜ?完売なの?
実は現在、列車は故障中でこの街からは走っていないと言う。
「バスで“アラウシ”まで行って、
そこから乗ってください」
リオバンバからアラウシまではバスで2時間、
しかも、アラウシ発の列車は午前8時だという…。
選択ミスったかな…?
こんなことならクエンカに行って
大好きな旧市街を見ておくべきだった。
いやいや、選んだ答えを尊重しよう。
大事なのは今。
たら、れば、はなしにしようと決めたはず。
よし、明日雨が止んでいたら
アラウシに行って列車に乗ろう。
もし雨なら、クエンカに向かってやる。
すべて天に任せてみようじゃないの。
目覚ましを午前4時半にセットし、
重たい身体をベッドに沈めた。
晴れか雨か、答えはどっちだろう。
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