南米の旅で楽しみにしていたビッグ3は、
パタゴニア、イースター島、
そして「マチュピチュ」である。
天空都市
絶壁の山々がそびえるウルバンバ渓谷の山間、
標高2280mの頂上にあるマチュピチュ。
マチュピチュとは老いた峰を意味し、
山裾からはその存在を確認できないことから
“空中都市”とも呼ばれている。
16世紀半ば、インカの人々は
高度な文明が栄えたマチュピチュを残し、
忽然とその姿を消してしまう。
20世紀、アメリカの歴史学者ハイラム・ビンガムによって
この遺跡が発見されるまで
400年以上も人の目に触れることはなかった。
マチュピチュ列車
空中都市へは列車で向かうのが王道で、
クスコからマチュピチュ村へと線路が伸びている。
マチュピチュ列車と呼ばれる鉱山鉄道である。
この列車、チケットを取るのが意外と難しい。
というのも、世界遺産の中でも人気1位と言われる場所なだけに、
客足は途絶えることを知らないからだ。
車両は3種類あるが、
一番安い「バックパッカー」以外はとても手が出せない豪華列車で、
バックパッカーですら往復96ドルという運賃だもの…。
この列車のチケットは1つ前の町プーノで取っておいた。
それでも帰りのチケットがすでに完売で、
マチュピチュ村に2泊せざるを得なくなった。
ウルバンバ渓谷
「探せば安い宿がある」
そんな言葉を信じて、超一級観光地に挑む。
午前6時50分、定刻どおりに列車は動き出した。
さすがにたくさんの日本人観光客が訪れる場所。
駅員も日本語が上手い。
駅にあったATMも日本語が選択できたし(笑
座席は2人がけの対面シートで、
広さは日本のJRと同じくらい。
車窓からの景色は左側に座るのが正解で、
クスコの街並みやウルバンバ渓谷のインカ道、
そして段々畑がとてもキレイだった。
約4時間、“世界の車窓から”を楽しんだ。
雨のマチュピチュ村
マチュピチュ村は雨だった。
今は雨季、この時期は5割強の確立で天気が崩れる。
皆そうだと思うが、
マチュピチュへはたった1日のチャンスしかない。
列車のチケットが入手しづらいので
天候待ちしている余裕はない。
「明日、晴れるかな?」
激しさを増す雨を見つめながら
不安な気持ちで宿に向かった。
宿はまったく決めていなかったが、
駅にいた客引きとの交渉の末、
1泊30ドルは下らない中級ホテルが
まさかの20ソル(約600円)に!
扉を開けてビックリ!?
「ホントにこんな値段でいいの?」
スタッフの顔を2度見、
良心が痛むくらいにキレイな部屋だった。
他に宿泊客の姿はなかったので、
空けておくよりはたとえ600円でもお金になった方が…
と、日本的な経営方針なのだろう。
とにかくラッキーだ。
この調子なら明日は晴れるよ、きっと。
チケットと学生証
マチュピチュのチケットは、遺跡の入口では購入できないため
前日に観光案内所で買っておく必要がある。
入場料は年々というか、毎月?値上がりしていて
大人124ソル(約4000円)。
2年前が60ソルだったので、脅威の上昇率だ…。
ぺトラ(ヨルダン)しかり、マチュピチュしかり、
不況知らずのドル箱観光地。
強気、強気の値上げでも客足に響くことはないようだ。
目指せ100ドル!
これが彼らの合言葉だったりして…。
それでも行っちゃうだろうな、、、それほど魅力がある。
切り札を使った。ケニアで作った国際学生証だ。
偽物の本物?いや、本物の偽物というべきか、
とにかく学生じゃないし、年齢もサバを読んでいるが
紛れもなく本物の学生証。(ややこしい)
幾多の窓口をくぐり抜けてきたこの学生証だが、
ここマチュピチュはひと味違う。
というもの、偽学生証だと判明すれば
即刻パンチされる!
痛てて、って別に殴られるわけじゃなく、
学生証にパンチ穴を開けられてしまうのだ。
どうだ、通れ!
麻雀でリーチ後にドラを切る気分(わかる?)
平然を装いながらも内心はドキドキだった。
「61ソル」
やった!半額だ!!
おつとめご苦労様、
ここで使うために作ったんだよ、この学生証♪
良心と引き換えにチケットと約2000円の恩恵を手にした。
明日はいよいよ
ついでに明日のマチュピチュ(遺跡)行きのバスチケットも購入した。
これまた値上げがひどいバスで、
今年に入ってさらに3ドル値上がっていた。
村から遺跡までのつづら折りの道を行くバス、
往復14ドル、うーむ高い…。
では、ここまでのおさらい。
クスコからマチュピチュ村までの列車(往復)が約1万円で、
遺跡の入場料(正規)が約4000円、
遺跡までのバス(往復)が約1400円でしょ?
それでいて1日に5000人以上が押し寄せるわけだから
一体いくら儲けるの!
ドル箱、ドル箱。ペルー政府(?)はウハウハだね。
こんなにもお金がかかるマチュピチュ、
それでもあなたは行きたいですか?
「はい、行きたいです!!」(即答)
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