こんな時間もこの街にはよく似合う

久々にヤバイ…!?って思っちゃった。
すごい、スゴ過ぎるよ、クスコの街並み☆
絵本から抜け出した街? いやいや、
こっちが絵本の世界に吸い込まれたみたい。

 

首絞め強盗

昨夜の夜行バスでプーノからクスコへと移動した。
バスはセミカマを選択し、
所要時間8時間、運賃は25ソル(約750円)だった。

 

「そのバスは危ないから!」
そう、旅行代理店の人から忠告を受けていたので
カメラや新しいパソコンが入ったリュックを
大事に抱えて眠った。

そして早朝4時、早すぎる到着だった。
「早朝のクスコは首絞め強盗が多い」
これも事前に知らされていた危険情報。
夜明けまでターミナルで待つ覚悟でいたが、
バスが到着するなり客引きに囲まれた。
おっ、久々だな、このアジアな感じ(笑
とりあえず値段を聞いてみると嘘みたいに安いし、
こんな早朝から泊めてくれるのはありがたい。
一番安かった『カサデラ・アブデラ』に泊まることにした。

いやぁ、これが大正解!
こんな早朝にも関わらず手厚い歓迎で向かいいれてくれるし、
部屋(個室)も悪くない。
キッチンも付いてるし、インターネットもタダ同然の安料金。
今から寝たら2泊するようなものなのに、
たった10ソル(約300円)だよ!ありえねぇ~。
早速毛布に包まって、静かな朝の中で眠りについた。

 

インカ帝国

クスコは太陽神を崇拝するインカ帝国の都として栄えた。
ケチュア語で「ヘソ」を意味するこの都市には、
インカ時代、世界の中心地とされていたそうだ。
ところが16世紀になるとスペイン人の征服がクスコにも及び、
インカ帝国は一瞬にして崩壊する。

征服者たちは太陽の象徴である黄金で彩られた神殿や宮殿を破壊。
インカが築いた礎石の上にスペイン風の教会を建設していった。
そのため、この街にはインカ時代の精巧な石組みと、
コロニアルな建築物が融合した独特な雰囲気が漂っている。

 

クスコ旧市街

最近は遺跡よりも旧市街歩きが好きだ。
まるで遺跡のように古い街並み、
そこに人が住んでいるのだからワクワクせずにはいられない。
悠久の歴史が今なお生きていて、
少しずつその姿を変えている。
石畳の道に靴音を響かせながら、
細い路地の先に夢を膨らませ歩いた。

「カミソリ1枚通さない」
そんなフレーズで知られるインカの強固な石組み。
カミソリ1枚どころか、一枚岩にしか見えない壁が続いていた。
スゴイ、スゴイ。
歴史の中にいる!遠い、遠い昔の世界。
目を閉じれば、そのまま中世へとトリップできそうだった。

 

好きな旧市街は?

突然だが、好きな旧市街ベスト3を考えてみた。
この旅で訪れた国は43。
いったいいくつの旧市街を歩いただろう?

 

第三位
「オールドサナア」(イエメン)

そこはアラビアンナイトの世界。
独自のイエメン建築の美しさと、
マッチ箱のような家々が建ち並ぶ街並みは忘れられない。

 

第二位
「エルサレム」(イスラエル)

キリスト教、イスラム教、ユダヤ教。
それぞれの聖地が隣り合った複雑な街。
あのイエスが十字架を背負って歩いた
ビアドロローサ(悲しみの道)も残されている。

 

 

そして第一位にここクスコを挙げたい。

すり鉢のような街を見渡したいと思い、
高みを目指して歩いた。
素朴な日干しレンガの屋根、
曲がり角1つ過ぎる度に胸を躍らす街の表情、
街中に細く伸びる階段は大好きな尾道(広島県)を思い出させる。
何度もため息をこぼしながら街並みに見惚れた。
高台から街を見渡したとき、
今自分がどこにいるのかを忘れてしまうくらいに圧倒された。

 

雨が似合う街

そして、無情の雨が突然空から落ちてきた。
街を濡らし、人々の足を速める。
通りのカフェに逃げ込み、
温かいレモネードを飲みながら、雨があがるのを待った。

雨を待つ、こんな時間もこの街にはよく似合う。
時間がゆっくりと流れているからだろう。

 

旅のカケラ/slideshow

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