サン・ホセの誤算…

パナマとコスタリカの国境に着いたのは午前5時半。
乗客は全員叩き起こされ、イミグレーションに長い列を作った。
パナマ側の出国手続きがとにかく遅くて
眠たい目を擦りながら2時間も待たされた…。

 

コスタリカに入国

そのまま歩いて国境をまたぎ、コスタリカ側へ。
スタンプはすぐに押してもらえたものの
急遽荷物検査が始まり、バスからザックを運び
係員の前で荷物を全部出した。
せっかく詰めたのに…文句を言っても始まらないが
ぶつぶつぶつ。
ちょっと気分は悪いが
これで53ヶ国目「コスタリカ」に入国。

「中米の花園」と呼ばれるコスタリカは、
自然と人々が平和に暮らす国だそうだ。
国の中央には優美な姿の火山が連なる山脈が走っていて、
コスタリカの熱帯雨林は、貴重な動植物の宝庫として有名。
実に国土の4分の1が国立公園や自然保護区に指定されている。
さらには、地球上の全動物種の約5%が生息しているから驚きだ。

 

首都サン・ホセ

 

首都サン・ホセには午後4時に到着した。
あの国境のせいで2時間の遅れ。
宿を決める前に次のニカラグア行きのチケットを購入しておこう。

TICAバス社の窓口に行き
希望の日時を伝えると「売り切れ」と、無情なひと言…。
おいおい計算外だよ。
最近はこんなことがなかったので油断していた。
タクシーを拾い、他社の窓口を回った。
計4社、すべて売り切れか運行予定なし…。
マジで!?

もう1度TICAバス社に戻り、最短でいつが空いてるかを聞いた。
「2日後、11日だね」
無駄に2泊するが仕方ない。
しかもエグゼクティブクラスしか空きがなく
運賃は1.5倍の32ドルだった。

先にも書いたようにコスタリカは自然の宝庫。
幻の鳥とも言われるケツァールなんて見てみたいものだ。
でも、ツアーは高いしゆっくりしている時間もない。
だからさっさと次の国へ行く予定だった。誤算。

 

黄昏の街

空からゆっくりと黄昏が下りてきた頃、
ようやく宿も決まり、重たいザックをおろした。
ニカラグアへのバスが午前3時発なので
宿はバス会社のすぐ近くにした。

周囲にレストランはなく、市場まで歩いていき
小さな食堂でハンバーガーを2つ頬張った。
アメリカに近づいたからか、
中米のハンバーガーはすこぶる旨い!
肉のパテが分厚くてジューシー、
濃くて甘いソースともりもり入った野菜、
ここ最近は1日1食はハンバーガーな生活になっている。

ガイドブックを眺め、今後の予定を組み直した。
見所の少ないニカラグアを1泊で抜け、
ホンジュラスの「コパン遺跡」へ急ぎたいところだ。
3度TICA社へ。
もう足止めを食うのは嫌なので先に
ニカラグア→ホンジュラスのバスチケットを
買っておこうと考えた。
しかし悲劇は繰り返される…
「売り切れだね」
またもや無情なひと言(泣
ま、マジで…!?
どうしようか?

最近はすっかり国際バスのお世話になり、
自力で国境越えをしなくなっている。
だって面倒だし、時間かかるもん…。
しょうがないか、原点に帰ろうか?
ローカルバスを乗り継いで国境を越えるとしよう。
バスが見つかるかどうかの不安、
いつ出発するかわからない待ちぼうけの時間、
狭い社内、心配な荷物、ぼったくり…
懐かしい、これぞ原点。

旅の一番終盤に来て、
中米の旅がちょっとスリリングになってきた。

 

旅のカケラ/slideshow

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