4時起床、5時30発のバスに乗り込んだ。
ここジャンシーからカジュラーホまでは約200km、
所要時間6時間、料金は100ルピー(約270円)だった。
バスを移ってくれ!
席に着き、iPodでも聴きながら
仮眠を取ろうかとした矢先の出来事だった。
「バスを移ってくれ!」
車掌のひと声で、乗客が慌しく移動を始める。
なんだ、なんだ?と後に続くと、もう1台のバスが横付けされていた。
しかし、車内はすでにすし詰め状態!
通勤ラッシュ時の埼京線よりもひどい状態だ…。
すると天から声がするではないか!?
「こっちへおいで」
見上げてみると屋根の上にも20人ほどの人だかり。
えっ!?そこかよ…。
屋根の特等席
でも、サウナのような車内よりは屋根のほうがマシかも。
スルスルっと梯子を登り、顔を覗かせると
「こっち、こっち」とみんなが手招きする。
座るスペースを作ってもらい、腰を下ろした。
「チョロ!」
出発の掛け声だ。
車体を大きく振りながらバスは動き出した。
涼しくて眺めは良いが、ここで6時間はキツイな。
まったく理解不能なヒンディー語で歓迎され、
歌を歌いながら風に吹かれた。
長閑な景色と、気のいい連中。
これぞ、旅してる!って感じだ。
雨に打たれて
そんな余裕も束の間、激しく雨が落ちてきた。
なぜかインド人はテンションが上がり、喜んでいる。
おいおい冗談じゃない!なんとかしてくれよ。
誰かがビニールシートを広げ、それを全員で被る。
シートが小さいので、只でさえ狭い屋上の1箇所に身を寄せ、
もうおしくらまんじゅうの状態で雨を凌ぐ。
ふっ、ふっ、ふっ、ありえねー!!
もう笑わずにはいられない。
ギャーギャー騒ぎながら、
バスから振り落とされないように
そこらじゅうにへばり付いた。
段差で大きく跳ね、肝を冷やす。
景色を眺めていると「伏せろ!」の合図が飛ぶ。
わぁ!間一髪で木の枝をかわした。
これはいったい何のゲームだ…。
6時間後、ようやくカジュラーホに到着。
久々に骨のある移動だった。
本当は観光に出かけようと思っていたが、
あまりに体力を消費したので、今日はホテルで落ちることに。
明日の早朝に楽しみはとっておくことにした。
カジュラーホ、ここはインドの喧騒を忘れさせる
天国のように穏やかな場所だ。
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