ラノーンから夜行バスに乗り、バンコクに着いた。
早朝5:00、
バンコクの街はすでに動いている。
安宿街のカオサンに行って1泊するつもりだったが、
都会の喧騒に嫌気が差し、
このまま「アユタヤ」へと向かうことにした。
バンコクをスルー
旅に出てからというもの、
田舎の宿が落ち着く。
そりゃ、都会の方が宿はたくさんあって
見つけるも便利だ。
でも、田舎で偶然見つけた宿ほど
ありがたみを感じるものはない。
9時間の夜行バスの疲れもどこへやら。
持ち前の機動力を活かして
バンコク→モシ、モシ→アユタヤへと
バスを乗り継いだ。
アユタヤに到着
ガイドブックを持たず、
地名だけを連呼して目的地へと向かう。
このスタイルもすっかり定着してきた。
目的地に着けば大きなザックを担いだ仲間を見つけ、
安宿を一緒に探せばいい。
今日も運よく、フランス人旅行者に出会い、
トゥクトゥクをシェアして宿へと辿り着いた。
シングルルームで100バーツ(360円)。
よし、2泊しよう。
大きな窓があって気に入った。
まだ慌てる時間ではない
今は午前10時。
世界遺産のアユタヤは多くの観光客が訪れ、
そして客引きたちが待ち構える。
「コンイチワ、ドコイクデスカ?」と、
日本語ですり寄ってくる。
なぁに時間はあるんだ、
観光客が帰った夕方から出かけよう。
近所で見つけたレンタサイクルもあるし。
バリバリの観光地で、
ちょっと贅沢な時間の遣い方。
これも長旅ならではのスタイルかも。
あてもなく町を彷徨い、
昼寝している犬の横をそっと通り抜け
屋台で食事をし、木陰でコーラを飲む。
じっとり暑いアユタヤの午後は、
こうやってゆっくりと過ぎていく。
ひとりぼっちで淋しい気持ちもあるが、
それよりも果てのないこの旅に心は踊り続けている。
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