こけし旅’19(福島編①)弥治郎系こけし

深夜3時、レンタカーに荷物と犬をつめ、
レッドブル片手に高速を北へ向かった。
行先は福島県で、最初の目的地は白石市(宮城県)だ。

これで4回目のこけし旅。
我が家のリビングには約20体のこけしが並んでいる。
11系統ある伝統こけしはとりあえず制覇。
今はさらに細かい地域や工人を巡っている。
今回は、土湯系こけしに分類されている
「鯖湖こけし」「中ノ沢こけし」を探しに行く。

せっかく福島まで行くので、もう50㎞足を延ばして
白石市(宮城県)にある、
「弥治郎 こけし村」に立ち寄ることにした。
空はだんだんと白じみはじめ、やがて朝日が顔を出した。

弥治郎 こけし村
宮城県白石市福岡八宮字弥治郎北 72-1
0224-26-3993

 

午前9時前に「弥次郎こけし村」に到着。
2年前の同じ日にもここに来ていたようだ。
ここは弥次郎系こけしの工人さんたちの工房が立ち並び、
資料館や販売スペースもある複合施設。
弥次郎系こけしの歴史は古く、
江戸時代中期の宝暦年間に開かれたといわれ、
享和3(1803)年の記録には、すでに13人の木地師の名前がある。
弥治郎地区は鎌先温泉の近くに位置し、
秋から冬にかけ木を伐り出してこけしを作り、
湯治客のみやげ物として売られてきた。

頭部にはロクロによる二重、三重の輪が描かれ、
あたかもベレー帽をかぶったように見えるのが大きな特徴。
額の中央には半月形の色飾りが描かれることが多い。
弥治郎系の魅力は、幅広のロクロ線による色の組み合わせにあり、
斬新でモダンな調和を見せるものも数多くある。

さて今回はどの作品を購入しようか?

前回は新山民夫工人のこけしを購入している。
祖父の左内氏、父の左京氏を継ぎ、
昭和53年から木地職人の世界に入ったそうで、
新山家のこけしは胴体の「こぼれ松」が特徴。
親子三代が作り上げた3体のこけしに、
代々忠実に受け継がれてきた
材料や形、描彩の技を見ることができる。
モダンで、かわいらしい印象のこけしだ。

目ぼしいこけしを並べ、よーく吟味した結果、
選んだのは高田稔雄工人の作品。

平成27年より練習を始め、
描彩は佐藤慶明の指導を受けた。
わりと最近の工人ではあるが、木取りや鉋作りも修業していて
本格的な木地師を目指している。

手にしたこけしは、
色使いが繊細で、流線美が楽しめる。
女性工人が描いたかのように表情も柔らかかった。

弥次郎系は色使いがカラフルで、
デザインもモダンなのでそれぞれに個性があり、
部屋のインテリアにも良いと思う。
だまだま気になる工人が多いので
これからも足繁く通いそうだ。

 

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