土湯系こけしを細分化していくと面白い。
中ノ沢、鯖湖(飯坂)、岳など、
土湯から枝分かれしたこけしがあるようだ。
以前、鯖湖こけしを求めて福島県の飯坂温泉まで行き、
渡辺幸典宅を訪ねた。
そこで2体を購入することができ、
我が家でも独特の存在感を放っている。
↑渡辺幸典工人の鯖湖こけし
さて、その際にも聞き込みをしたのが「岳こけし」。
二本松市岳地区で製作されていたこけしで、
江戸時代中期、安達太良山麓にひろがる岳温泉の湯治土産として、
こけしや木地玩具がつくられ始めたという。
土湯系の伝統こけしで、最近ではもう作っている人がいないそうだ。
ネットで調べてみると、
大内慎二工人の作品がいくつか販売されていた。
平成22年頃よりこけし製作を休止しているようで、。
直接本人から買えないのは残念だが、とても状態がよく、
魅力的な作品に出会えたので購入することに。
それがこちらの3体。
大内慎二工人のものが2体と、
師匠にあたる大内一次工人のものが1体。
今朝吉型と呼ばれる作品である。
↑大内慎二工人の作品
岳こけしは頭部と胴部のはめこみ式で、
太い眉とだんごっ鼻が特徴。
素朴な表情をしていて、
たしかに土湯系の特徴がうかがい知れる。
↑大内一次工人の作品
土湯系は産地ごとに特徴があるので
こうやって枝を辿ってみるととても面白い。
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