小説『伊豆の踊子』の舞台であり、
天城山のふもとの町、河津町に向かった。
ここに来たお目当ては、孤独のグルメでも登場した
わさび丼を食べること。
4代に渡り、100年以上のわさび作り
天城山の湧き清水で育てる美味しいわさびを求めて
朝から行列が絶えないのが「わさび園 かどや」。
客が自らすりおろし、ごはんにのせてシンプルにいただく
わさび丼はここでしか味わえない絶品だという。
店に到着したのは12時。
予想通り多くの人が順番を待っていた。
受付で名前を書き、数えて見ると15組待ちだった。
駐車場に車を停め、渓流のせせらぎを聞きながら
のんびりと順番を待った。
名前を呼ばれたのは約2時間後だった。
6組しか入れないので致し方無い。
待っている間にずいぶん空腹になったので
「生わさび付 わさび丼とざるそばセット」(1300円)
をいただくことにした。
「これをすってお待ちくださいね」とお店の方に、
わさびとおろし板を渡された。
わさびを美味しく食べるコツは、
細かくすりおろすことらしく、すり金ではなく、
きめ細やかにすりおろせる鮫皮のおろし板が一番だそうだ。
する腕が疲れた頃、
おかかがのったごはんと、
わさびの茎を用いた佃煮などの小皿、
そしてざるそばのセットが運ばれてきた。
おろしたわさびをごはんの真ん中にのせ、
醤油はまわりに落として、
少しずつわさびを崩しながら食べる。
わさびに直接醤油をかけてしまうと風味が消えてしまうので注意。
わさびの香りが口の中いっぱいに広がり、
思った以上に辛かったが、初めて体験する美味しさだった。
そばもつゆにわさびを入れるのではなく、
そばに直接わさびをつけて食べるのが正解。
こちらもツンとわさびの辛さが鼻に抜けて美味しい。
ドラマではわさび丼をお替りしていたが、
その気持ちがとても頷ける。
ただ、この行列を目の当たりにすると、
申し訳なくて早く食べて帰らなきゃ、という気持ちが勝ってしまう。
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