ベリーズのキーカーカー。
旅の最後にふさわしい、神様が創った宝石の島。
エメラルドグリーンに輝く海に
白い真珠のように島が浮かんでいる。
ベリーズバリアリーフ
去年の12月に行ったモーリシャスも海の美しさに驚かされたが、
このカリブの宝石も負けてはいない。
きっと忘れないだろうな…この海、この島、この時間。
「さぁ、シュノーケリングに出かけよう」
午前10時、水着に着替えてダイビングショップに向かった。
キーカーカーの沖には世界第二位の珊瑚礁
「ベリーズバリアリーフ」がある。
自然遺産に登録されていて
オーストラリアのグレートバリアリーフに次ぐ規模だとか。
シュノーケリングはボート、器材、入場料込みで
40ベリーズドル(約2000円)だった。
ショップでフィンを合わせ、ゴーグルを試着した。
準備はOK、まもなくボートが迎えに来るという。
がっ!
事件は起こった。
最近の運の無さは何なのだろう??
風が急に冷たくなり、空に立ち込める真っ黒な雲
そして大粒の雨が落ちてきた…。
マジで!?
次に来る理由
苦笑いを浮かべながら
どうなるの、これ?と隣のヒロ君に尋ねた。
桟橋で立ち尽くしているとショップのおばちゃんが
両手で大きくバツを作りながら呼んでいる。
「船が出せないから午後の便にしたら?」
でも午後の便でベリーズシティに戻らなくていけない。
無理してもう1泊伸ばすという手もあったが
きっとこういう流れ、こういう運命なのだろう。
ここは潔くキャンセルして未練を残しておこう。
ベリーズ、また次に来る理由ができたよ。
ヒロ君はここでもう2、3泊するというので
ふたり旅はここまで。
たったの4日間だったけど、いい旅でした。
さよならと、ありがとう
正午。
桟橋で彼と最後の握手を交わし
重たいザックを担いで、
ベリーズシティに戻る便に乗り込んだ。
さっきの雨はどこへやら、
空はすっかり青さを取り戻し、
海もエメラルドグリーンに輝いている。
ホント意地悪だよ、神様ってヤツは(笑
宝石にシュプールを描き、真珠の島が遠くなっていく。
桟橋で大きく両手を振っているヒロ君の姿を見つけた。
とっくに宿に戻ったと思っていたのに…笑
ちょっと胸が疼く、やっぱり見送られるのは苦手だ。
「ありがとう」
声にならない言葉。
ありったけの気持ちを込めて大きく手を振り返した。
気づいたかな?
再びひとりになり淋しさが込み上げる。
今日は行けるところまで行こう!
最後の国境、メキシコ目指してラスト・ランだ。
最後の国境越え
ベリーズシティに到着すると
そのままバスターミナルに向かい
「チュトゥマル」行きのバスに乗った。
チュトゥマルはもうメキシコだ。
■ベリーズシティ→チュトゥマル
(所要時間:約4時間/運賃:17ベリーズドル ※約900円)
たくさんの場所に停まり、たくさんの人が乗り降りした。
一番後ろの席で入れ替わる乗客をぼんやりと眺め
ずっと、ずっと最後までこのバスに乗っていた。
ベリーズ側の国境で一度降り、窓口で出国の手続きに向かう。
出国税の20ドルを用意していたが、なぜか徴収されない。
忘れてるのかな?
笑顔でその場を後にした。きっと神様の罪滅ぼし。
表に出るとバスの乗務員が迎えに来てくれた。
手続きをしている間に違う場所に向かい
他の乗客を降ろしてきたようだ。
バスは空っぽ。
今度は一番前の席に座りメキシコ側の国境を目指した。
メキシコにも神様はいた。
入国税21ドルを徴収されるはずなのに
ここもあっさりスルーできてしまった。
合計4000円も得しちゃったよ。
旅路の果てへ
たったひとりの乗客のためにバスは待っていてくれた。
ここからチュトゥマルの町までは約10km
もう少しだけお世話になります。
西日がやわらかく広がって町を黄金色に染める。
雨上がりの夕焼け、なんだかやさしい気持ちになる。
来たね、ここまで。
ちょうど1年2ヶ月、長かった…。
59ヶ国目、旅路の果て、「メキシコ」。
ひとりぼっち。
胸に込み上げる熱いものを感じた。
ラスト・ラン。よーいドン。
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