午前10時、約束の時間。
ここパナハッチェルから「ホンジュラス」へと国境を越える。
再びホンジュラスを目指す
グアテマラは旅行会社が主催するシャトルバスが充実していて
たった13ドルでホンジュラスの「コパン・ルイナス」まで結んでいる。
ホンジュラスは3日ほど前に一度通過しただけで
ルート的にも後回しにした方が都合のいい国だったため
このタイミングで訪れることになった。
では、56ヶ国目を目指すとしますか。
ホンジュラスは中米の中では比較的大きな国。
しかし、ニカラグア同様見所が少ない…。
ただ、グアテマラ国境にほど近い場所に「コパン遺跡」という
世界遺産に登録されているマヤ遺跡があるので
ここは見逃せない。
遺跡と旧市街が大好きだからね。
バスの遅延
約束の時間、午前10時に旅行会社を訪れた。
前日に購入したチケットを見せると
ちょっと渋い顔でこう告げられた。
「バスが遅れてて…。でも問題ないから」
問題ない?
いや、あるよ!!
だってアンティグアで乗り継ぎだもん!
「大丈夫、バスが待っててくれるから」
この人は英語が話せるので良かった。
そうか、そうか。
ちょっと到着が遅くなるけど今日中に着けば問題ない。
2時間ほど遅れてるというので
隣のネットカフェで時間を潰すことにした。
2時間後に到着したシャトルバスは
古いワンボックスカーだった。
大きな身体の欧米人と一緒に詰め込まれ
ワゴンは猛スピードで走り出した。
アンティグアまではおよそ2時間半、
窮屈な車内にも関わらずよく眠っていると
「コパン(ホンジュラス)に行くヤツはいるか?」
と、運転手の大声で目が覚めた。
「あ、コパンっす」
一番後ろの席から手を挙げた。
乗客は14人いたがどうやら1人だけのようだ。
携帯電話で何やら話し始める運転手。
待つこと1分、
「もうバスは出たってよ」
は?ちょ、ちょっと待ってよ!!。
大丈夫だって言われたよ、待っててくれるって…。
アンティグア
アンティグアに到着し、同じ系列の旅行会社に駆け込んだ。
「ちょっと、どうなってるの!」
南米に引き続き、中米でもトラブルが待っていたか…。
そんなに血相を変えなさんな、と言うような顔で、
「18時半にコパン(ホンジュラス)行きがあるから」
と、チケットを振り替えてくれた。
でも、これじゃ到着は深夜じゃん…。
とにかく荷物を預け、
せっかくだからとアンティグアの街を散歩に出かけた。
アンティグアは、グアテマラシティ近郊にある古都で、
1773年の地震で壊滅的な打撃を受けるまでは、
ここにグアテマラの首都が置かれていた。
コロニアル建築や敷石の道が美しく、
世界遺産にも登録されている。
通りを歩きながらよくよく考えてみた。
果たして国境は24時間開いているのだろうか?
国境到着はたぶん深夜1時、
そこからの宿探しだって難航することが目に見えている。
ダメだ、ダメだ。
一度ツキに見放されるととことん落ちていくので
こういう時はリセットするのが懸命である。
この街で1泊しよう
急いで旅行会社に戻り、チケットを翌日に変えてもらった。
翌4時発コパン行き。
これなら到着してからその日の内にコパン遺跡を見学できる。
しかも、一度はあきらめたアンティグアだって観光できるんだから
ナイスな選択肢なはず。
宿も1泊30ケツァール(約350円)が見つかったし
まだ14時だもの、ゆっくり街歩きできることが嬉しかった。
災い転じて福となす
こんなことわざあったよね(日本語忘れ気味)
教会跡や大きな市場、民族衣装…
彼らにとっては普段着の街なのに
目に映るものすべてが新鮮で、そのギャップがたまらなくいい。
ほんの束の間、その街の住人に化す。
これが旧市街の楽しみ方。
西日が街を染める頃まで、あてもなく彷徨った。
ゴールまで残り3ヶ国、
明日はホンジュラスを旅します。
(“世界の車窓から”のナレーション風に)
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