アンデス山脈のほぼ中央に位置する「プーノ」は、
ティティカカ湖畔にある標高3850mの町。
ウユニ、ラパス、そしてここプーノと
連日標高4000m近い移動が続き、高山病が心配だったが
今のところ元気だ。
まぁ、念のため高山病予防の薬を服用しているが。
浮島めぐり
午前7時、迎えのバスがやってきた。
昨日申し込んだティティカカ湖の島巡りツアーである。
ウロス島、タキーレ島の2島を巡る日帰りツアーで
料金は35ソル(約1100円)と驚くほど安い。
バスで桟橋まで行き、ボートに乗り換えて約45分、
最初の島が見えてきた。
「ウロス島」
トトラと呼ばれる葦を積み重ねて造られた浮島のウロス島は、
上陸してみるとふわふわと足元が沈んだ。
なんとも不思議な感覚!
なんだか雲の上を歩いているようで気持ちがいい。
島では家も舟もすべて葦を束ねて造られていて、
何十かある島のうち、いくつかが観光化されていて、
こうして立ち寄ることができるそうだ。
葦でできた島
ガイドの説明によると島の作り方は簡単で、
湖に生えているトトラを刈り取り、
それをブロックのようにして束ねたものを浮かせ、
さらにその上にトトラを敷き詰める、といった方法だそうだ。
浮材として使っているトトラが腐ってきたら、
また上から新しいトトラを補充する。
また、島が流れてしまわないように
ロープをかけた石を沈めているという。
この説明にはウロス島のミニチュアが使用され、
ガイドを囲んで円形に座って話を聞いた。
助手役は島に住むウル族の男性。
説明に応じて手際よくミニチュアを並べていく姿が印象的だった(笑
抜群の連携、きっと毎日のようにこの授業を行っているのだろう。
ガイドの熱弁はつづく。
英語とスペイン語で話してくれるので、
少しは理解できるが、ずっと聞いていると疲れてくる。
そっと輪から一歩下がって写真を撮ってやり過ごした。
ガイドの解説が佳境を迎えたのか、島人の動きが慌しくなってきた。
各々の家から台とござを持ち出し、即席の土産店を作り始めた。
これまた手際がいい(笑
トトラ舟
トトラ舟に乗る。
葦でできた舟というにはどっしりとしていて
乗り心地は悪くない。
ガイドと先ほどの助手がオールを漕ぎ、
チャプンと、水が跳ねる小気味いい音を響かせながら
湖面を滑るように進んでいった。
眠気を誘うヒーリングサウンド、、、
このままたゆたっていたい、そんな気持ちでまどろんだ。
でも、約20分でお隣の島に到着。
運賃は10ソル(約300円)だった。
浮島を2つ観光した後は「タキーレ島」へ。
ボートに乗り換えて約3時間移動した。
タキーレ島とケチュア族
この島は純粋なケチュア族が住む島で、
織物などの手工芸品と農業を中心に生活している。
島内には電気も水道はなく、自給自足、物々交換など
昔ながらの生活を今なお続けているそうだ。
島は絵に描いたように長閑だった。
蝶が舞い、小鳥が囀り、
糸を紡ぎながら歩く島人とすれ違った。
この島の人たちはみないつも手を休めず、
糸を紡いだり毛糸を編んだりしている。
これは、「働き者のインカびとの、
直系の子孫であることの動かぬあかし」であり、
誇りに思っているという。
とてもいい島だった。
歩いているだけで幸せな気分で心が満ちていく。
なんだろう、この感じ?
小学校の帰り道につくしを見つけた、
誰よりも1番に春を見つけた感じに似ている。
懐かしくって、ポカポカした気持ち。
のんびり、のんびり歩いたから
島の頂上に着いたのは一番最後だった。
そのため土産店を覗く時間は残されておらず、
そのまま島の中腹にあるレストランへと連行された。
バランス、バランス
島人の踊りを見ながら昼食。
島で取れた鮭料理だった。
この島では公平を規するため、勝手にレストランを選べない。
毎回順番で決められた店に行く。
平和で長閑な島の生活を守るためのルールである。
浮島の暮らし、長閑な島の時間、
ずっと変わらないでほしいと思うが、
それは旅行者のわがままと言うべきか…。
常に変化、進化していくことも大変だが、
そのままでいることも難しい。
世の中ってすべてが微妙なバランスでできているから、
物事の捉え方1つで見方が変わってしまう。
ふわふわの浮島は、
流されないように石(意思)のおもりがしてある。
上手いこと言った(笑
そう、バランス、バランス。
腐ってきたら新しい葦を敷くって。
そうそう、バランス、バランス。
楽に構えて、根元はしっかり。
バランス、バランス、バランス。
コメントを残す