スーダン日和

スーダンの首都「ハルツーム」にいる。
とりあえず、という感でここまで来たが
未だアテも予定もない。

 

日本大使館を目指す

というのも、スーダンはガイドブックがなく、
観光化されていない国なので
見どころがまったくつかめないのだ…。
ともあれ、日本大使館を目指すことにした。

手元にあるのは、10年前の情報が記された
『旅行人ノート アフリカ』
地図もざっぱで、これで大使館までたどり着けるの?
と、出発前から不安は募る…。

まぁ、現在地すら判らないという最悪の状況も
旅がこうも長くなると鈍感になるというか、
楽しめてしまうわけで…(苦笑
ある意味ゲーム感覚である。

先に断わっておくと、
この国では英語は全くと言っていいほど通じない。
アラビア語が公用語で、ハウマッチすら
?マークを浮かべてしまう人たちである。
じゃあどうやって道を尋ねるか?
そんなときは、
銀行か旅行会社の門を叩けばいいわけだ。
必ず英語ができるスタッフがいるから。

 

ホスピタリティ

スーダン人はとにかく親切。
この国のホスピタリティは
“世界一”とも言われている。
笑顔が絶えず、すごく親身になって
耳を傾けてくれる。
それでいて恩着せがましくないのが
日本人的で好ましい。

今日も彼らの優しさに甘えさせてもらった。
何度も道を尋ね、
彼らの指先が指し示す方向へと
歩みを進める。
行ったり来たり…。うだる暑さの中で、
「話す」と「調べる」のコマンドを何度も入力した。

日の丸国旗を見つけたときは
嬉しかったぁ…。
あぁ、日本だ、日本大使館だよぉぉぉ…って。

ゲートをくぐって、日本人職員に
「あ、あの、ちょっとお話が聞きたくて」
と、すがる思いだった(笑
地図をもらい、現地情報を聞いた。
目ぼしい観光地をメモし、
1つ1つ行き方を教えてもらった。

昼からはもらった地図を頼りに
郵便局へと向かった。
この国は手紙を出す習慣がないのか、
街角にポストはない。
首都ハルツームですら、これだけ大きな街なのに
郵便局が1つだけって…。

 

スーダンの絵はがき

絵はがきは郵便局の前で売っていた。
日に焼けた、ボロボロのヤツが…。
デザインも、なぜにこれが絵はがきとして採用されたか
センスを疑いたくなる代物ばかりだった。

「いくら?」
「1ポンド(約45円)」
「えっ、高いよ!」

スーダンで絵はがきを入手するのは至難のワザ。
それを知ってか、強気な値段。
この国の物価を考えると高い買い物だが、
ここでしか売っていない以上、選択の余地はない。
受け取った人は、間違いなく苦笑いを浮かべそうな
ヤツを5枚購入した。

つづいて郵便局で切手を購入。
日本まで2・5ポンド(約110円)だった。
館内でハガキを書いていると
閉館だよ、と追い出されてしまった。
まだ2時なのに…。

窓口の職員に、
「外のポストに入れればいいんだね?」
と尋ねると、
「ノー、ノー!!」と、首を振られた。
滅多に回収されないという。
この国の郵便事情って…。

仕方ないので後日出しに来よう。
何をしたわけでもないのに、
スーダンはこうして1日が
足早に過ぎていく。

 

旅のカケラ/slideshow

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