朝、目覚めると、窓の外にはまだ、
タクラマカン砂漠が広がっていた。
列車に乗って20時間、
同じような景色が流れていく。
もうすぐカシュガル。
中国のシルクロードの果てだ。
シルクロードの果て
シルクロードに入ってからというもの、
1日置に夜行バスか寝台列車に乗っている。
そう、とにかく中国は広い!
乗車時間が20時間以上の移動ばかりになるのも否めない。
さて、カシュガルでいよいよ中国の旅が終わる。
本来ならチベットを抜け、世界の屋根ヒマラヤを越えて、
癒しの国「ネパール」に入る予定だった。
が、チベット問題が深刻化し、外国人の入境許可がおりない。
ならば!と、新たに考案したのが「カラコルムハイウェイ」。
中国はカシュガルから、
パキスタンのフンザへと抜ける峠のルートだ。
ハイウェイとは名ばかりで、ひたすらか細い山道。
標高も6000mを越えていて、目の前には氷河が広がるという。
あっ!?そういう意味で“ハイ”ウェイか…。
キルギスという選択肢
ところが、このルートにも欠点があった。
パキスタンのビザがない…。
以前は国境のススト(パキスタン)でビザ取得ができたのだが、
現在はパキスタンの情勢が悪化し、ビザの発給はストップ。
じゃあ、いったいどこへ向かえばいいんだよ…。
(どうしても陸路にこだわりたいので)
そこで浮上した国が「キルギス」だ。
アジアのスイスと呼ばれる国で、
旧ソ連の影響が色濃く残っているとか。
南への道が閉ざされた今、最後の希望はキルギスしかない。
キルギスの首都ビシュケクでパキスタンビザを取得し、
カリコラムハイウェイを抜けてみせようじゃないの!
それがダメなら、
ウズベキスタン、タジキスタン、アゼルバイジャン…
名前しか知らないような中央アジアの国々を突破して、
カスピ海の向こうにあるトルコに行けばいいさ。
希望があるかぎり
人生は旅、旅は人生。
先のことなんて誰もわからない。
でも、そこに希望があるかぎり
“パンドラの箱”を開けつづけたい。
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