ペルーの首都「リマ」は、太平洋に面した
コスタと呼ばれる乾燥大地に開けた都市である。
16世紀、スペインの征服者フランシスコ・ピサロは、
リマの中心にアルマス広場とカテドラルを建設。
広場を核に町を築いていった。
今なおコロニアル時代の繁栄の様子を色濃く残す旧市街は、
ユネスコの世界遺産にも登録されている。
首都リマ
リマに降り立ったのは午後2時。
22時間走り続けたバスからようやく開放された。
重たい荷物によろめく…、
ひどくバスに酔い、気分は最悪だ。
すぐにタクシーを捕まえ、旧市街にある宿を目指した。
『サンフランシスコ』
ここも教えてもらった安宿で、
1泊20ソル(約600円)。
すぐ近くに『沖縄』という日本人宿もあるが、
あまり評判が良くないのでここに決めた。
しかし、沖縄とか、サンフランシスコとか、
なんでこんな名前を付けたのだろう?
まぁ、覚えやすいからいいんだけど。
ランチは中華
バス酔いで身体がふわふわするので、
外の空気を吸おう、と早速出かけることに。
近くに中華街があると聞き、
昼食は中華にすることにした。
目指せ中華門!
街には貫禄たっぷりの教会がいくつもある。
バロック風、アンダルシア風、コロニアル風、
どれがどの建築様式かわからないが、
それでもその姿は見ごたえがある。
中世の街並みが、今なお息づいていて、
目を閉じれば石畳を叩く、馬車の音が聞こえてきそうだ。
3ブロックほど歩くと街並みは一変した。
ゴーン、と銅鑼の音が聞こえてきそうな中華街。
赤いぼんぼりが揺れ、
油の香りが立ち込めている。
いいね、いいね!
懐かしいよ、中国!!
通りは賑やかで、人を掻き分けながら歩いた。
街角で中華まんとシュウマイを購入。
ほくほくの湯気に包まれながら頬張る。
旨さと懐かしさ。
なんだろう、優しい気持ちになるよ。
安そうな店を見つけ、
壁に貼ってあった“お徳セット”を注文。
中華街なのにメニューがスペイン語のため解読不能…。
漢字を使ってよ、もう!
ラ・ウニオン通り
美味しい中華を堪能した後は、
「ラ・ウニオン通り」へ。
景色は今度は原宿へと一変する。
オシャレなカフェやブティックが建ち並ぶ、
街の顔とも言うべきメインストリート。
リマ旧市街はいくつもの顔を持っている。
それ以前に、ペルーが変化に富んでいると言えよう。
この国には10を越える世界遺産があり、
古代文明やコロニアル都市、そして大いなる自然遺産。
インカを中心としたアンデス文明に彩られ、
アンデスの山々にこだまするフォルクローレの音楽を奏で、
インディヘナたちは鮮やかな民族衣装をまとう。
謎の空中都市マチュピチュ、
乾燥した大地に刻まれたナスカの地上絵、
未だに多くを解明されていない遺産が、
ペルーにはいくつも残されている。
こうして旅をしていると、
ときに静寂にたたずみ、
遠い過去を見つけているような気分になる。
ペルー、この国の魅力は尽きない。
都会の孤独
パソコンを閉じ、夜の都会の風に吹かれた。
人々の喧騒や煌びやかな街明かりが、
逆に淋しくさせる。
都会の孤独、ここにもあったか…。
クラクションや車のライトから逃げるように
通りをすり抜け
破れたポスターを横目で見送る。
広場に出て、
ライトアップされたカテドラルに一瞬息を飲んだ…。
どこを旅してるのか、いつを歩んでいるのか
ふいにわからなくなる感覚に襲われた。
夜風が冷たかった。
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