祭りのあと

午前9時30分、
アグアス・カリエンテス(マチュピチュ村)を後にした。
まつり囃子はもう聞こえない。

 

オリャンタイタンボ

列車の中で死んだように眠った。
午前11時、
オリャンタイタンボに到着。
インカ時代には飛脚の宿として栄えた長閑な村だ。

駅の出口にあった屋台で昼食を摂る。
隣のおじさんの皿を指差し、
「同じものを」と合図を送った。
名前はわからないが、
5ソル(約150円)でお腹がいっぱいに。

天を仰ぐと、高い峰に圧倒された。
これぞアンデス…、とても静かな村だった。
ここからクスコまではバスで戻る予定だったが
乗合タクシーが安かったので乗ることにした。
10ソル(約300円)。

 

糸が切れたマリオネット

タクシーの運転手はいい人で、
村の外れにある遺跡に寄ってくれた。
クスコを捨てたインカ軍が、
ここでスペイン軍と交戦したという。
インカ道をたどり、
少しだけまつり囃子が戻ってきた気がした。

タクシーの中でも眠りこけた。
車窓に広がる美しい景色を楽しみにしていたのに
身体の空気が抜けてしまった。
糸が切れたマリオネット、
マチュピチュの余韻はとても大きいようだ。

午後3時、
クスコに着き、長距離バスに乗り換える。
リマ行きで出発は1時間後。
今回のバスは奮発してカマを選択した。
リマまではおよそ24時間で、
運賃は165ソル(約5000円)。

 

祭りのあと、ひたすら眠る

カマはスゴかった。
まず乗客一人ひとりをビデオカメラで撮影。
どうやらセキュリティのためらしい。
座席はマッサージチェアのような本皮仕様の広々シートで、
150度はリクライニングする。

食事は夕食と朝食がサーブされ、驚くほど美味しかった。
目の前のテレビでは常時映画が放映されるし、
車内ではインターネットも可。
もう、いたれりつくせりだった。

 

だから眠った。
車窓の景色も、映画も、ネットも、
ぜ~んぶ必要なかった。
とにかく眠った。
バスは山道を行き、左右に大きく身体が揺れる。
だからひどく酔ってしまった…。

バス酔いはこの旅初?
眠り、酔い、眠り、酔い、眠る。
くるくる回る視界と思考。
ひどく疲れた。
だから眠った。

感動すると、その反動で疲労する。
だから眠った。
祭りのあとは、とにかく眠った。

 

 

旅のカケラ/slideshow

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