ある人は東のヌブラという渓谷を目指し、
ある人は南のザンスカールを抜ける。
そして自分は…、
「月の世界」と謳われるラマユル・ゴンパへと向かう。
最後の朝
ここはラダックのレー。最後の朝が訪れた。
憧れだったこの地を離れるということで、
少し感傷的な気分で目を覚ました。
実は昨夜、運命的というか、用意された出会いというか、
「もう一度再会したい」と思っている人たちに会えた。
旅をつづけていると不思議なもので、
絶妙のタイミングで出会いが用意されている。
こんなに広い世界なのに、
ふらっと再会することが多いのは、もはや「必然」と言うべきだろう。
「あの人にもう一度会いたいな」
そう思っても
もちろんケータイは使わないし、メールで連絡を取り合うこともない。
なんとなく会える気がしてならないのだ。
そして昨夜もそうなった。
再会は用意されている
夕食はよく彼らの行きつけの食堂にした。
ここに来れば再会できる、そう思っていたが
いつまで待っても来なかった。
仕方なく店を後にし、ネットカフェに出向いた。
トントン、誰かが肩を叩く。
あ、いた!
「サヌキさん」「キヨさん」というふたりで年齢も近い。
もう遅い時間だったが、彼らの部屋にお邪魔することにした。
夜が更けるまで話し込み、
別れを惜しみながら「またどこかで」と握手を交わした。
この旅に別れは多いが、
“会いたい”と強く願えば、必ず再会は用意されている。
昨日、一緒に旅した「かん」も朝早くに旅立っていった。
GOOD LUCK
いつかどこかで…。
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