印パ戦争勃発!
?郵便局事件のせいで宿に戻るとすでに夕方近かった。
このまま1日が終わってしまうのはあまりに不甲斐ない。
そこであるセレモニーを見に行くことにした。
国境閉鎖式
ワガボーダーで行われる
フラッグセレモニー(国境閉鎖式)である。
ワガボーダーとは、インドとパキスタンを隔てる国境で、
現在のところ両国を陸路で抜けられる国境はここだけである。
この国境では毎日、
夕方の閉鎖時刻にあわせてセレモニーを行っているのだ。
セレモニーといっても両国が国旗を下ろすだけのことだが、
ところが、これがバカバカしいほど盛り上がる。
このセレモニー用に国境ラインの両サイドにスタジアムが設けられ、
毎日大勢の見物客がやってくる。そして、
インドに負けるな!パキスタンに負けるな!
と、自国の応援を繰り広げるのだ。
何を競っているのかは不明だが、
国歌や掛け声を掛け合って、
応援合戦のように大いに盛り上がっていた。
インドvsパキスタン
兵士たちも「どうだ!」と言わんばかりに手足を振り上げ、
端から見ていると大げさ過ぎて滑稽な行進をする。
ひとり、またひとりとボーダーラインまでハリキリ行進をし、
ひとしきり相手国に見せ付けてからもとの位置に戻ってくる。
そのたびに応援合戦はヒートアップする。
拍手や歓声で応戦しあい、なんだか不思議な一体感が生まれた。
こんなことを延々1時間を繰り返し、
最後はスタンディングオベーションの中、
ゆっくりと国旗が下げられた。
鳴り止まない拍手と歓声。
インド!インド!
パキスタン!パキスタン!
インド!インド!
パキスタン!パキスタン!
止まない熱狂!
誰も帰ろうとしない…。
バカバカしくも、清々しい光景だった。
やがて興奮冷めやらぬ様子で人々は散っていく。
その誰もが誇らしげな顔で、
「今日はインドの勝ちだろ」とでも言っているのかも知れない。
このセレモニーのDVDを手にした売り子を掻き分けながら
この不思議な空間を後にした。
明日も行くぞ!
そんな彼らのパワーは一体どこから来るのだろう…。
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