日本を旅立って100日目、
インドのダラムサラにいる。
ダライ・ラマ14世が暮らす街で、
インドとチベットがうまく融合している。
憧れのチベット
チベットのラサに行けなかったため、
中国の香格里拉(シャングリラ)で満足してはいたが
やはりチベットに対する思いは強い。
ここダラムサラで“夢のつづき”を見させてもらおう。
午前8時、小さなリュックひとつで宿を出る。
天気は快晴!標高が高いためカラっとしていて日差しが気持ちいい。
通りにはチベットの土産屋が軒を連ねていて、
お香の匂いが漂っている。
チリン、チリンと鐘の音が遠くから聞こえ
ダラムサラの朝はなんとも厳かな感じだ。
沐浴?
まずは散歩がてらに「シヴァ寺院」へ向かった。
片道約2km、バザールを抜けて山沿いの道を歩いていく。
古く、小さなお寺だった。
なぜかお寺の真ん中にプールがあり、
インド人たちが元気よく飛び込んでいた。
これも沐浴だろうか?
どうみてもプールではしゃぐ子どもたちにしか見えないのだが…。
寺を抜けてさらに1.5km進むと、落差20mほどの滝に出た。
渓谷に抱かれるような形で滝が落ち、
疲れた身体に水しぶきが心地よかった。
絶品のターリーを発見
来た道を戻り、ローカルな食堂に入った。
はちみつをたっぷりと包んで焼いたチャパティと、
甘酸っぱいジンジャーティーを注文。
ちなみにお値段20ルピー(約50円)
店主の鼻歌を聴きながら、美味しくいただいた。
まだまだ元気だったので、
3kmほど離れた隣のダル村へと足を伸ばす。
緑道を歩いていると、牛の群れに遭遇。
彼らは大人しいので、しばらく並走することにした。
カツ、カツっと、小気味いい足音を聴きながら。
小一時間ほどでダル村に着いたが、とにかく何もない。
ここで昼食をと考えていたが、小さな商店が2軒あっただけだ。
仕方ないので再び3km戻って、
ツーリストエリアから外れた場所で、ターリーを食べた。
このターリーが久々のヒット!
インドのカレーはコクがなく、
ただ香辛料を食べている感じだったが、
ここのカレーはとにかく旨い。
キレイに平らげると、「もっと食べるかい?」と
お替りをくれた。もちろんこれも完食。
40ルピー(約100円)を払って、笑顔で店を後にした。
フリーチベット
最後はとっておきの場所、チベット寺院へ向かった。
きっと年に何度か、ここでダライ・ラマがティーチングを行うのだろう。
そのためか、入口ではインド国境よりも厳重な身体検査があった。
このお寺で目についたのが、「フリーチベット」のポスター。
北京オリンピックを皮肉ったものや、
生々しい虐殺シーンが散りばめられたものもある。
1959年に中国の武力弾圧の前にチベットは中国領に併合され、
このときダライ・ラマは、20代初めの若さで
毛沢東や周恩来と会見したという。
チベット民族の悲願を唱えるため、
歴史の激浪に巻き込まれた彼の心中は図り知れない?
インドのガンジーしかり、ダライ・ラマもまたしかり。
武力を使わずに「自由」と「平和」を訴えかける。
いつでも微笑みを
空が曇りはじめたせいか、心が暗くなったせいか…。
頬を抜ける風が冷たくなり、切ない気持ちになった。
世界を自由に旅し、どんどん開いていった心は、
喜びに敏感になったと同時に、
こんな悲しみにも敏感になったようだ。
幸せの定義や、悲しみの置き場をいつも探してしまう。
穏やかな笑みを浮かべて、
仏教による世界平和を唱えるダライ・ラマ14世。
“いつでも微笑みを”
この言葉が持つ力を、信じたいものだ。
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