これは書いていい内容なのだろうか…?
少し戸惑うが、何も問題なく帰ってこれたのだから
後日談として聞いて欲しい。
ペシャワール
今はパキスタンのペシャワールにいる。
かつてはガンダーラの中心都市として栄え
クシャーン朝時代カニシカ王の冬の都・プルシャプラと呼ばれた。
アフガニスタン国境に近く、
アフガン難民が多く押し寄せている街でもある。
宿に着くなり、丸々とした体系にダミ声、
そして目つきの鋭いおじいちゃんに呼び止められた。
実は彼はここ『ツーリスト イン モーテル』のオーナー。
ツアーに行くぞ!と荷物を置く余裕さえ与えてくれない。
イタリアとオランダの女性2名を加えて、
スズキの軽自動車で宿を後にした。
アフガンバザール
どこへ行くのかのかもよくわからないまま、
景色はどんどん荒涼としていく。
ここがアフガン難民キャンプだ、と
鼻歌混じりにあごをしゃくった。
アフガニスタンとの国境に近く、
アフガンバザールと呼ばれている場所。
アフガンバザールの奥からは、
いよいよ部族の掟が支配する地域。
荒涼とした場所に荷物がてんこ盛りのトラックが
大量に泊まっているバザールに着いた。
「スマグラー・バザール」という密輸品市場だそうで、
アフガニスタンから持ち出された密輸品が
幅を利かせている市場だった。
ピストルや麻薬も普通に売られているから驚きだ。
ババジイって何者?
ガイド(オーナー)の名はババジイ。
彼はバザールの奥の建物へと3人を招きいれた。
そこにはただならぬ雰囲気を持った数人の男達がたむろしていて、
肩からライフルを下げていた。
その内の中の1人を指差し「彼が、部族の長だ」と紹介した。
このトライバルエリアの部族長で、
ここは国家の力が及ばない部族たちの州都である。
かのタリバン勢力もここを牛耳っているとか。
族長と握手を交わし、さらに奥の部屋へと通された。
グリーンティとメロンでもてなされ、
少し和んでいると、突然とんでもないものを持ってきた。
これが最高級のハシシだよ。
ハシシとは大麻樹脂のことで、
こいつを闇社会に流すと相当な値がつく代物だという。
さらにカラシニコフと呼ばれるロシアの銃やマシンガン、
そしてペン型の拳銃など、物騒なものが次々と運ばれてきた。
実弾が入っていたので、恐る恐る手にしてみると
ずっしりと重く、冷たかった。
大量の偽札を見せ、ご満悦の族長。
よかったら持って帰るかい?と、冗談がキツイ…。
写真を撮れ、と言われ、
いいのかなぁ…?と思いつつもシャッターを切った。
3人で苦笑いしながら、怪しい空間に戸惑ってしまった。
しかし、ババジイという人物は何者なのだろう?
トライバルエリアに精通し、自分の宿のお客を誘っては
こんな危険な場所につれてくる。
日本だったら間違いなく違法ツアー、
ここパキスタンでも限りなくグレーに近いだろう…。
鼻歌混じりに運転するババジイの横顔を見ながら
一体なんだったのだろう?と、
今日の出来事をため息混じりに反芻した。
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