午前5時、ケータイのアラームで目を覚ました。
重宝していた目覚まし時計が壊れてしまったため、
頼みの綱はケータイのアラームのみ。
心配性なので、近々どこかで新しい目覚まし時計を購入しなければ。
さて相方は? うーん、当然ながら夢の中か…。
タージマハルは4度オイシイ
とにもかくにもシャワーを浴び、準備を整える。
カメラでしょ、ガイドブックでしょ、パスポートもいるかな?
そんなことをしている間に5時45分、
タージマハルは6時に開門するのだ。
タージマハルは4度オイシイ、ということをご存知だろうか?
白大理石でできたドームは、
時間帯によって様々に発色するよう造られている。
日の出、日中、夕暮れ、そして満月と。
中でも日の出のタージは薄紅色に輝き美しいという。
ならば行かねば!という早起きである。
「タージマハル行くけど、まだ寝る?」
と、一応相方に声をかけると、珍しく飛び起きた。
彼もさすがにタージマハルは楽しみにしていたようだ。
ホテルの外に出て、ふたりのテンションはどっと下がった。
どんよりとした曇り空、今にも雨が落ちてきそうだ…。
生ぬるい空気を掻き分け、ゲートの前に着いた。
新世界七不思議
入場料は750ルピー(約2000円)。
高いことは承諾済だったが、この曇天ではやはり腑に落ちない。
しかもインド人は30ルピー(約80円)と書かれているし。
でも、スケジュールが押しているので、ここは我慢するしかない。
タージマハルについて、聞きかじった情報を少し。
世界で一、二を誇る名建築で、「新世界七不思議」のひとつ。
いわずと知れた世界遺産である。
王妃ムムターズ・マハルに先立たれ、
悲しみにうちひしがれた皇帝シャー・ジャハーンが
その死を悼んで建立したお墓で、
完成までに22年の歳月を要した。
名匠たちの手で白大理石に宝石がはめ込まれ、
透かし彫りが施された、たいそう手間隙かけた代物で、
膨大なお金をつぎ込んだため国が転覆したという。
薄曇りのタージマハル
さて、ゲートをくぐり、その姿を現したタージマハル!?
むむむ、どんより空に霞んでるじゃないか…(泣)
こうなりゃ持久戦だ。
朝焼けに映えるタージには出会えなかったが、
青空と白いドームのコントラストに期待しよう!
がっ! 無情にもパラパラと雨が落ちてきた。(ついてない…)。
それでも午前中いっぱい粘って
薄曇りのタージマハルと対峙した。
一緒にいた相方はいつの間にやら宿に帰ったようだったが、
王妃を想う皇帝の気持ちで、タージを眺めつづけた。
足りないくらいが丁度いい
ずいぶんと日差しが強くなった。
重い腰を上げ、ゲートに向かって歩みを進める。
「つづきはとっておけばいい」
いつも、こうやって少し足りないくらいが丁度いいのだ。
明日は「マトゥラー」という小さな街を訪ねる。
クリシュナ、というヴィシュヌ神の聖地である。
インドにはたくさんの神様がいる。
明日の神様は、どんな空を用意してくれるのだろう?
旅のカケラ/slideshow
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