ジャングルクエスト3 ~帰還~

同じ朝が来る。
少し暗くて、湿っぽくて、
動物と風が歌う森。

 

ラストジャングル

アマゾンで過ごす最後の日。
ドコドコと鈍い太鼓の音を合図に
食堂に集まり静かな朝食を摂った。
食事をしながらガイドが本日の予定を説明する。
「午前9時半に出発する」
今日はずいぶんとゆっくりだな。

食後は部屋に戻り日記を書いて過ごした。
撮りためた写真を見ながら、アマゾンでの生活を回想した。
たった3日だが、濃厚で、滅多にできる経験じゃない。
手付かずの原生林で暮らす先住民、
子供たちは無邪気でくったくがない。
大人たちはたくましく、シャーマンはミステリアス。
アニミズムの中で共に生きていく“人”の力。
スゴイと心底思い知らされた。

 

ジャングルアローン

それにしても静かだ。
誰もいないみたいに…、と腕時計を見ると午前10時、

え、え、えぇ!!じゅ、10時!?(2度見っ)
しまったー!!!!!(汗)

部屋を飛び出し、ロビーに走った。

ない、舟が…。

皆、行ってしまった。ジャングルアローン。
どど、どうしよう!?
血相を変えていると
ロッジに残っていたスタッフが近づいてきた。

「時計見てなくって、みんな行っちゃったみたいで、
で、で、で、どうしよう?」

まぁまぁ、そこに座って。
優しい笑顔で彼は諭す。
ゆっくりと丁寧な英語で彼は語った。

「いいかい、今イキトスから船が向かっている。
スピードボートだ。それで送ってあげるから
しばらくここで待っていなさい。
なぁに、心配いらないよ」

ぐ、ぐらしあすぅ(ありがとう)

 

シャーマンになる?

 

いやぁ、しっかりしたツアーで良かった。
待つこと30分、大雨をくぐってボートが到着した。
「さぁ、乗りな」
20人乗りのスピードボートを貸切で
アマゾン川を駆け抜けた。

「大丈夫、追いつくよ」
仲間たちが乗る小舟の3倍のスピードでボートは進む。
雨を切って、風を切ってぐんぐんと。
「あそこだ!」
着岸している小舟を発見した。
岸にボートを着け、行っておいで!と送り出された。
「ありがとう!」
何事もなかったようにロッジへと戻っていくボートに手を振った。

「Oh、カズ~!?」
えへへ、はぐれちゃった(笑
ちょっとバツが悪かったが、皆笑顔で迎えてくれた。
そして雨が上がった。

 

「君が来たら雨が止んだよ、シャーマンか?」
ハハハ、晴れ男っす。
ここはどこかというと、アマゾンの動物園。
猿やオウム、蛇(!?)が放し飼いされていた。
バナナを取り合ってキィーキィー喚く猿、
小さくて可愛い♪
近づいても逃げないのでうんとカメラを近づけて写真を撮った。

 

ナマケモノに遭遇

小屋の屋根にはカラフルなオウムがいた。
こいつも逃げない。ずいぶん人慣れしてんなぁ。
子供がひとり近づいて来て、
「こっち来てみて」と袖を引っ張る。
後をついて行くと木にぶら下がった変な生き物、
なんだろう、猿か?
近づいてみると、

あっ!ナマケモノだ!?

初めて見た。なかなか見れないんでしょ、こいつ。
もう興味津々。
ホントに動きが鈍くて、指で突っつくと
ノソ~~~っと反応した。
カメラが珍しいのか、レンズに向かって手を伸ばしてきた。
鋭い爪!
でも、動きがノソ~~~~だから全然怖くない(笑
まさか油断させておいて急に機敏になるんじゃないだろうな?

顔もひょうきんだった。
どっかのお面見たいで、憎めないヤツ。
でもさぁ、君はそんなに鈍くてどうやって餌を取るのよ?
ノソ~~~、きっと何も考えてないな(笑

アナコンダが登場した。
体長4m、これでもまだ子供だという。
蛇って大きいとあんまり気持ち悪くないね。
藪から飛び出してくると心臓がバクってなるけど、
こんだけ大きくてノロマだと全然怖くない。

「首に巻く?」
お約束のサービスが始まったが、
丁重にお断りしておいた(やっぱり怖いもん…)

 

サヨナラ、アマゾン

午後2時、イキトスの町へと戻るボートに乗った。
アマゾン川を遡っていく。
さよなら、アマゾン。アディオス、ジャングル。
ぼくらの大冒険を見送るように1頭のイルカが跳ねた。
ピンクのイルカ♪
おぉ~!!歓声があがった。

実は昨日の朝、このイルカを探しに小舟に乗ったが
さんざん探したもの見つけられず
がっかりしながらロッジに戻った。
それが今日、最後最後にお目にかかれた。
アマゾン川に生息するピンクのイルカ。
こいつに出会えると幸運の証だと言う。

ラッキー。いいことあるかな?
いや、この瞬間がいいことなんだよね、きっと。

 

旅のカケラ/slideshow

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