アルゼンチンに入ってからずいぶんと日にちが経った。
パタゴニアを旅し、イグアスの滝を観光し、
サッカーも観たし、隣国の
ウルグアイ、パラグアイ、ブラジルもかじった。
そろそろ幕を降ろそうか?
ブエノスアイレスへの長いバス
プエルト・イグアスを出発したバスは、
約20時間後「ブエノスアイレス」に到着した。
時刻は午前10時半、青空が気持ちよかった。
今回も“カマ”と呼ばれる
ハイクラスのバスを選んだわけだが、
いやぁ快適過ぎて10時間以上眠り続けた♪
2回の食事は美味しかったし、映画も観たし、
アルゼンチンのバスは世界一だよ!
■プエルト・イグアス→ブエノスアイレス
(所要時間:20時間/運賃:170ペソ ※約5100円)
何泊もお世話になっている『上野山荘別館』に
電話を入れた。
「今日、泊まれますか?」
返事は「ノー」、残念ながら満室だった…。
上野山荘別館
思えば、最初にブエノスアイレスに着いたとき
空港からこの宿に電話したがあいにく満室だった。
その後、悲劇に見舞われ
8軒連続でホテルは満室、
キャッシュカードはスキミングされ、
そのままカードを紛失し、
挙句にはケチャップ強盗(未遂)に遭ったっけ…。
言葉は通じないし、もう帰ろうかと思った。
“雨降って地固まる”ではないが、
ずいぶんと思い出深い場所となった。
アジアやアフリカとはひと味もふた味も違う
南米特有の空気。
ラテンの陽気さの中に、
移民社会が生み出した“モザイク”を見た。
それはどこか東京に似ていて、
懐かしさを感じることが多かった。
今回は泊まることはできなかったが、
『上野山荘別館』に出向き、最後の挨拶をした。
「またいつか遊びに来ます」
「フロリダ通り」というハイカラな場所に
宿をとった。10階建てのバックパッカー宿で
1泊36ぺソ(約1000円)。
明日は早朝のフライトのため、
午前3時にはこの宿を経つことになる。
ラストダンス
荷物を置いて、最後の街歩きに出かけた。
スーパーで「イースター島」に持っていくための食材を調達し、
今夜は食べ収めとばかりに
厚切りのサーロインステーキを購入した。
取材ではないが、
日本大使館の領事部で働く三須さんと話す機会が得られたので
近くのカフェで落ち合い、
アルゼンチンやブラジル、パラグアイへの日本人移民について
興味深い話を聞かせてもらうことができた。
もう少し調べたうえで
今度のコラムの題材にしようと思う。
宿への帰り道、
夕暮れの街にタンゴのリズムが響いていた。
足を止め、小気味よく踊る姿に目を奪われた。
これがラストダンス―
タンゴは人生の陰の部分を描写する詩が多く、
言葉はわからないが哀愁を帯びていた。
さらばブエノスアイレス、
また1歩、ゴールへのステップを踏み出そう。
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