乾いた心に、潤いの1冊

アグラから「カジュラーホ」へ向かう予定だったが、
列車が遅れてしまったため、タッチの差でバスは出発。

アグラとカジュラーホのちょうど中間地に位置する
ジャンシーという、未知なる街での1泊を余儀なくされた…。

 

ジャンシーの町

午後2時、リキシャに言われるままに
街に数軒かない安宿へ直行。
150ルピー(約400円)で、
窓のない湿った部屋、水鉄砲か!というチョロシャワー、
そして何度もチップを強請りに来るスタッフがはびこる
宿に落ち着いた。

昼食を取ろう、と街をさまようが、とにかく暑い。
一番近くの店に入り、生きるための義務でしかない
不味いターリーを今日も流し込んだ…。

いやぁ、それにしても食が楽しくないと
すべてに滅入ってくるもの。
とにかくインドのカレーは合わない。

 

日本のカレーとはほど遠く、
塩いっぱい豆いっぱい汁と、パサパサのむせるライス、
そして粉々したチャパティが毎日のように登場する。
せっかくのお替り自由も、今じゃ有難迷惑でしかない。
口直しに飲むコーラだけがせめてもの楽しみだ。

 

たかのてるこ

さて、話は変わるが、昨日からある本を読んでいる。
というか、さっき読み終わったばかりだ。
ご存知、たかのてるこ著
『サハラ砂漠の王子様』と『モロッコで断食』という紀行文。
もうお判りだと思うが、『ガンジス川でバタフライ』の著者である。

何気なく読み始めたのに、ハマるハマる!

痛快なテンションに加え、感情表現の巧みなこと。
いつもの「ページをめくるのが勿体無い!」病が発症した。
同じように旅をし、こうやって日記を書いているけど
なんでこんな表現ができるの?
それそれ!それが言いたかったんだよ!
と、勉強させられまくり。

自分のつたない文章、感情や風景描写の乏しさに
目を覆いたくなるばかりだった。
そして極め付けに、
「旅がしたい!」と、思わされてしまった。
今、まさに旅してるのになぁ…(驚)

 

心が乾ききっている

2冊の本を読み終えた今、
ぽっかりと心に穴が開いたような状態。
そして、おもむろにザックからPCを取り出し
貪るようにキーボードを叩きまくった。
文章が書きたくて、自分の感情を文字にしたくて
そんな衝動にかられながら、着地点のない日記を綴った。
彼女の文章にはとうてい及ばないが、
書きたい!気持ちはうまく消化できた気がする。

とにかく今は、採れたての気持ちをたくさん収穫して
納屋に貯蔵しておけばいい。
時間が経って、熟成したころ、
「今」の自分と、未来の「今」にいる自分が
がっぷり四つに組んで、とことんまで気持ちの決着をつければいいさ。

なーんて思いながら、明日からの旅をもっと楽しもうと心に誓った。
インドに来てから、食へのストレス、いい加減なインド人、
そしてうだる暑さにと、心が乾ききっている。

麗しき日々を、潤う心を、もっと探しに行こうと思う。

 

旅のカケラ/slideshow

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