アレキサンダー大王が東征した際の
軍隊の末裔とも言われるカラーシュ族。
そんな少数民族がひっそりと暮らす、
ブンブレットの谷にいる。
カラーシュ族の村
山間の谷に暮らすため外からの影響を受けることも少なく、
独自の宗教と風習を発達させてきた。
特に女性の衣装は美しく、
刺繍や貝、ビーズをあしらった装飾品を身に着けている。
踊りと音楽を愛する人々で、とても友好的である。
さて、昨夜から泊まっている「カラーシュ・ゲストハウス」。
日本で言う民宿で、カラーシュ族の生活が垣間見れる。
ちなみに1泊3食付で300ルピー(約500円)。
山深い渓谷に位置するため、観光客が少なく、
宿帳を見ると今年になってからの宿泊客は20人程度だった。
この宿にいる客は4人で、稀なことに全員日本人。
東北の田舎で合宿でもしている気分で、
昨夜も遅くまでトランプに興じた。
「大富豪」や「7並べ」で騒いだのは高校の部室以来だった(笑
川のせせらぎを聞きながら
窓から差し込む陽光、清々しい空気。
これ以上ない朝の気配で目を覚ました。
テラスに座って本を読んでいると、
チャパティと目玉焼き、そして甘いチャイが運ばれてきた。
アツアツのチャパティをちぎって口に運ぶ、
うん、ほんのりと甘い。
川のせせらぎを聞きながら、渓谷を見下ろし、
朝のゆるやかな時間を、ぼんやりと過ごした。
午前9時、カメラ片手に村の散策へ。
茶色い道をよたよたと歩き、
砂煙を巻き上げるジープを何台もやりすごす。
どこまでいっても同じ景色の村で、
カラーシュ族の姿を探し続けた。
カラーシュ族はとても友好的だが、シャイだと言う。
言葉を交わし、距離を縮めてから撮影を試みるが
袖で顔を隠してしまい、なかなか撮らせてもらえない。
あきらめて再び歩き始めると、
手を振りながらついてくる。
あれ?写真いいのかな?
カメラをもう一度構えるが、やはり同じ結果だった。
そんなイタチごっこを幾度繰り返したことか…。
今日もチャイを飲む
途中、郵便局かと思って立ち寄った場所があった。
中庭には私服の男性が2人、優雅にチャイを飲んでいる。
「ハロー、ジャパン」、威勢よく呼び止められた。
彼らのもとに近づくと、胸に警察のバッチが光っていた。
そう、ここはポストオフィスではなくポリスオフィス。
「まぁ、座りなよ」と、一緒にテーブルを囲むことになった。
パキスタンはいいところだろ?
日本とどっちが好きだい?
そんな平和な会話を交わし、チャイをご馳走になった。
味はさほど美味しくなかったが、
先日は郵便局、今日は警察と、
国家機関のチャイを飲む機会はそうないことだろう。
テラスで読書
昼食の時間が近づいていたので宿に戻った。
再びチャパティとチャイが登場、
メインのおかずは煮込み野菜だった。
チャイをすすりながら、渓谷を見下ろす。
朝、昼、夕と、食後には優雅な時間がやってくる。
今日はこのままでいいか。
午後はテラスで読書に費やすことにした。
何もすることがないのに心がウキウキするのは、
パキスタンの魅力に取りつかれ始めた証拠だろう。
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