ハルタビ ’19(中欧編) ♯12 マトリョーシカ

ドゥブロヴニクの旧市街を
あてもなく歩く。
午前8時、まだ観光客は少ない。

 

もう一度、旧市街へ

どこかの教会の鐘が鳴ると、
つづけて別の教会の鐘が鳴る。
連鎖するように、次々と乾いた音が響く。
なにか順番でも決めてあるのだろうか?

教会の扉が開いていたので中に入ってみると、
数人がじっと祈りを捧げていた。
邪魔にならないようにそっとシャッターを切り、
フレスコ画やステンドグラスをカメラに収めた。

最後にもう一度、
行きつけのジェラート屋に行き、
ピスタチオ味を注文する。
ここは他店の半額で、しかもサイズも大きい。
ひとつ約200円。

 

宿に戻って荷物を受け取り、
息を切らしながら細い階段を登りきる。
そこには気になっていたカフェがあり、
空港に向かうバスまで少し時間があるので、
街を見下ろしながら過ごすことにした。

 

もう一度、プラハへ

クロアチアの旅はこれにて終幕。
ラストステージのプラハ(チェコ)に飛んだ。

QS1085
14:40ドブロヴニク→16:30プラハ

この旅の初日に2時間だけ過ごしたプラハの街。
ここで最後の夜を過ごす。
しかし、予約しておいたホテルにたどり着くのはひと苦労だった。

宿の近くまで来たものの場所がわからなかったので、
タクシーを使おうとするも、
初乗り30€(約4000円)とか言うぼったくりプライスだし、
値引きにも応じてもらえない。

仕方なく、地図片手に街を彷徨い歩いた。
なんとか宿の住所に着くも、看板がない。
どうやらアパートの一室をホテルとして貸し出していて、
事前に鍵の受け渡しの連絡を入れておかなければならなかったようだ。

しまったなぁ…。

途方に暮れていると、ひとりの若者が出てきて、
声をかけるとホテルのオーナーだった。

「到着時間を教えてくれないと…」
オーナーは苦笑い。
ずっと待っていてくれたようだ。
本当に奇跡。
旅の運はやっぱり強い。

 

時刻は20時を回り、
到着がすっかり遅くなってしまったので、
今夜は食事だけして、
明日の朝から観光に出かけることにした。

オーナーに勧めてもらったレストランに行き、
ローストポークとクネドリーキ、
グヤーシュ、サラダを注文した。

周りを見渡すと、ほぼ全員がビールを飲んでいる。
チェコは世界一ビールを飲む国らしいが本当だ。
チェコ料理はとても美味しく、値段も良心的だった。

 

プラハの過ごし方

食後、すぐ近くある「ルーヴル」というカフェに向かった。
ビールは飲めなくてもカフェがあるさ。
美味しい紅茶とスイーツでのんびりとプラハの夜を過ごす、
なんて素敵な時間だろう。

1902年が創業で、当時の雰囲気がそのまま残っている。
フランツ・カフカやカレル・チャペックといった
文化人にも愛されてきたカフェで、プラハ屈指の老舗カフェである。


人気のチーズケーキが入った、
デザートプレートと紅茶を頼み、
穏やかなひとときを過ごした。
中欧のカフェ文化は本当に心地がいい。

窓の外には街のネオン。
行き交う人やトラムを眺めながら、
明日は、
どこへ行こうか?
どこで朝食を摂ろうか?
何を買おうか?

冷たくなった紅茶をすすり、
最後のプランをぼんやりと考えてみた。

 

旅のカケラ/slideshow

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