ナツタビ’13(モンゴル編)#4 羊、吠える

 

スフバートルに着いたのは、
日付けが変わった午前1時。
だだっ広い場所に降り立った。

宿の客引きはおろか、タクシーさえいない…。

さすがに当てもなく彷徨には
躊躇する時間だが、どうしようもない。

 

 

するとほら、やっぱり事件に巻き込まれた…。

少し歩いたところで、酔っ払いに絡まれた。
モンゴル語でまくしたてられ、
「わかんねーよ」
の仕草にも腹を立てられる始末。
その場を立ち去ろうと足を早めると腕を掴まれ、
ひどい剣幕で怒鳴ってきた。

こういう時、日本なら胸ぐらをつかまれたり、
殴りかかるポーズをとるものだが、
このモンゴル人は
相撲をとる構えで威嚇をしてくる!
さすがモンゴル相撲の国!?

ガタイがよく、力では勝ち目はなさそうだ。
しかもこっちは荷物をフル装備。
走って逃げられそうもない。
さあ、困った、困ったぞ…。

でも、こういうときこそ気丈にいるべし!
(旅の心得)
「よしわかった、腹を割って話そう!」。

塀に腰掛け、隣に座るように促した。
言葉が通じないので、
大げさにゼスチャーを交えながら
相手の言葉をオウム返ししてみる。
疑問系になるように語尾を上げて。

そして、ときおり笑顔をみせたり、
肩を叩いて相槌を打ったり。
親しげな態度をとってみた。
ちょっと嫌がらせで、
持っていたミンティアを「食べるか?」
と、ヤツの掌に大量に撒いてやった。

う、辛い!

口を尖らせながら悶えている。
バシバシと肩を叩き、
「だろう?」って大げさに笑ってやった。

そのとき汽笛が聞こえた。
どうやら駅が近いようだ。

「着いてこい」、親指で暗闇を指し、
荷物を背負って立ち上がった。
この暗闇だし、この酔っ払いを連れてれば
逆に用心棒になるかも。

内心はビビっていたが、
とにかく気丈に振舞ってこのピンチを抜け出してやる。

 

駅に着いた。
残念ながら扉は閉まっていたが、
すぐ隣に宿を見つけた。

ノックをすると、
ロシア人ぽい目つきのキツイ女性が現れた。

「泊めてくれ!」
両手を合わせて耳元にもっていき、
お休みのポーズ。

どうやら通じたようで
部屋を用意してくれるようだ。
そしてすかさずに、
酔っ払いと女ボスの口論が始まった。

よし、助かった!

やりとりの内容は不明だが、
こっちが困っていることが通じている様子。
最後はもの凄い剣幕で男を追い払ってくれた。

羊、吠える。

やれやれ、という顔で笑顔をくれた。
オオカミ退治をありがとう。

久々の旅はトラブルが満載w
もう疲れきったよ。

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