ハルタビ ’16(ペルシャ編) ♯3 FOREVER YOUNG

イランのタブリーズは、
古くからシルクロードの隊商が行き交う、
商業の盛んな町として知られている。

ここには世界最古のバーザールがあり、
世界遺産にも登録され、
その歴史は1000年以上!と言われるから驚きだ。

あのマルコ・ポーロも訪れ、
その活気に圧倒された、
と、記録に残っているそうだ。

 

世界最古のバーザール

大きな門をくぐると、そこはもう中世だった。
時間が止まったかのように、
レトロで、アラビアンナイトの世界。
細い路地が無数にのびていて
たちまち迷子になってしまった。


タブリーズはシルクロードの途中にあり、
ヨーロッパとアジアを結ぶ交易地として栄えた。
ここのバザールはエリアによって分かれていて、
金や装飾品のアミール・バザール、絨毯のモッザファリーエ・バザールなど、
複数のバザールが複合して構成されている。

屋根付きの狭い通路の両脇には、
中東ならではの絨毯をはじめ、
宝石、香辛料、日用品などを扱う店が
所狭しと並んでいた。
礼拝堂、隊商宿なども混在して
独特の雰囲気に包まれている。

ここにある店は7000以上とも言われ、
世界で最も長い商業施設でもあるようだ。

わざわざタブリーズに来た理由は
このバーザールを見たいがためでもある。
かつて、シリアのダマスカスや
モロッコのフェズで、こんな景色を見てきた。
別に買物がしたいわけじゃないけど、
無性に気分が上がる!

 

ずっと飽きない、この世界

何回も、何回も、シャッターを切っては
その写真をみてニヤニヤしてしまう。

どれくらい歩いただろうか、もう足がくたくただ。
チャイハーネでは水タバコをふかして
世間話する人々の姿をよく目にする。
そこに混じり、隣で甘いチャイをすすっていると、
アラビア語でなにやらしゃべりかけられた。

言葉は通じないが上機嫌のようなので、
うんうんと頷いておいた。
水タバコを薦められたが、「吸えない」と断ると
かわりにチャイをご馳走してくれた。

昼食はメニューも読めない食堂で空腹を満たす。
パクチーが混じった挽肉を
チャパティに挟んで食べるスタイルで
とにかく美味しかった。
できればライスと一緒に食べたいとは思ったけどw
200円ほどで満腹になった。

半日以上この迷宮を楽しみ、
名残惜しい気分でバーザールを後にした。
宿に荷物を取りに戻り、
長距離バスのターミナルに向かった。

久々に乗る夜行バスは、
楽しみであり、でも淋しくもある。
異国の夜はひとりぼっちを強く実感させる。

ブロロロロ…
低いエンジンのノイズ。

無数の夜を越えた世界一周の旅を思い出す。
あの頃のように無防備だった時間は
もう過ぎ去ってしまったが、
時折こうして、旅を切り取ってみれば
つい昨日のことのように記憶が蘇ってくる。

どこへ行くでも、なにをするでもなく、
ただこうして、身を委ねることが
幸せな旅なのだと思う。

 

旅のカケラ/slideshow

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