ハルタビ ’16(ペルシャ編) ♯2 もしも君が泣くならば

 

長い移動の果てに辿り着いた宿。
死んだように眠り、
アザーンの声で目を覚ました。

そうだ、イスラムの国にいるんだった。

 

ここはイランのタブリーズ。
古来より、西洋と東洋を結ぶ
貿易路の宿場町として栄えた街。
カラッとした晴天で、初夏のよう。
眩しい街を歩くと旅の実感が湧いてきた。

今日はキャンドバーンという、小さな村を目指す。
バスで行こうとしたが、
みな「バスはない」と首を振る。
仕方がないのでタクシーを交渉した。

 

キャンドバーンの村まではここから約60キロ。
片道1時間半くらいかかるそうだ。
交渉の末、550000リアルで
往復してもらうことに。
桁が大きいから焦るが、
日本円で約1800円だから悪くない。
ただ、迷子になりながらバスで行くのが
楽しいのにちょっと残念だ。

 

アプリコットの花が咲く丘陵地帯を抜けると、
奇岩が林立する不思議な光景が現れた。

まさにミニカッパドキア!

 

 

ニョキニョキの岩をくり抜いて人々は生活をしていた。
急な斜面をロバが闊歩し、子どもたちがはしゃいでいる。
この迷路のような村は、ただ歩いているだけで面白い。
カッパドキアほどのスケールはないが、
情緒ならこっちの方が上だと思う。

 

観光化されていない村なので、
とてものどかで、静かで、のんびりしている。
岩の小さな扉からホビットでも
飛び出して来そうな雰囲気だった。

 

朝からなにも口にしていなかったので
ローカルな食堂を探したが
あいにく見つけられなかった。
名物のハチミツと、
アプリコットのドライフルーツを買って、
一番景色が良さそうな村の高台でそいつをつまんだ。

風が抜けて心地良かった。

 

ここのハチミツはびっくりするくらい安くて、
1kgで500円くらい!
さすがにそれは荷物になるので半分にしてもらったが
ビールサーバーのような容器から
黄金に輝く蜜をとろーりと注いでくれる。
リッチな甘さで、今までで一番美味しいハチミツだった。

 

キリム絨毯が有名な地域でもあるので、
絨毯屋を覗いてみた。
本当にキリムかどうかは怪しいが
たったの1000円で絨毯が買えてしまった。
本当はもう少し大きなものが欲しかったが、
荷物になるので
玄関マットくらいのサイズで我慢することに。

 

 

そうそう、イランの人はとにかく優しい。
よく握手を求められ、写真を一緒に撮ったり、
チャイをご馳走してくれたりする。
「ようこそイランへ」と、
温かく迎え入れてくれるので嬉しい。

ただ、あんまり英語が通じず、
アラビックな文字や数字のオンパレードなので
食事や買い物、バスは苦労している。
それでも親切な人たちに助けられながら
不自由なく過ごしている。

 

帰りのタクシーは窓を全開にして
風に吹かれながら夢の中にいた。
夢の中と同じくらい、
春のイランは心地いい。

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