ナツタビ ’19(ベトナム編) ♯5 海にて、心は裸になりたがる

そろそろ旅の終点は近い。
こうしてまた短い夏の旅が終わろうとしている。

 

Victoria Hoi An Beach Resort & Spa

ビーチに面して立つ英国ホテル。
「Victoria Hoi An Beach Resort & Spa」

シェムリアップ(カンボジア)でもこのホテルには泊まったことがあり、
シックで古き良きイギリスの雰囲気があって好きなホテルだ。
プライベートビーチを有しているというので、
朝食後に散歩をしてみた。

波に足を浸しながら、浜辺を歩く。
ジリジリと日差しが強く、
肌を焦がしていく。
絵に描いたような夏休みを
ここホイアンで過ごしている。

 

ホイアン旧市街

タクシーを呼び、
ホイアンの旧市街に出かけた。
昨夜訪れたナイトマーケットと同じ場所。
トゥボン川沿の細い路地には
いくつものランタンが風に揺られていた。

ホイアンはかつて、
海のシルクロードの中継地として発展し、
朱印船貿易が行われていたと 。
そのため日本人街があり、
交易が長く続いた中国の面影も色濃く残っている。
「ホイアンの古い町並み」として1999年に
世界文化遺産にも登録されている。

ガイドブックも地図も持ってこなかったので、
適当に路地を歩いてみる。
木々が生い茂り、緑の屋根ができている。
中国の大理や麗江の景色によく似ていて、
木漏れ日のシャワーを浴びているようだった。

1953年、この地に住んでいた
日本人によって架けられたとされるのが、
来遠橋で別名 「日本橋」 とも呼ばれている。

当時の日本人街と中国人街を結んでいた橋で、
陰陽の瓦屋根と双竜争玉の龍の姿が特徴的な太鼓橋。
申年に建築が始まり、戌年に終わったことから、
橋の両端にはサルとイヌの木像が設置されている。

ほかにも古い邸宅や寺院など、
ガイドブックで紹介されているスポットがたくさんあるが、
何気ない路地や屋台の営み、
現地の人たちの暮らしぶりを見て歩く方が楽しいので、
カメラを握りしめて黙々と歩いた。

 

とろけるようなアジアの夏

体温を超えた気温に汗が止まらない。
「HOI AN ROASTERY」という名の
スタバによく似たカフェに逃げ込み、
イタリアンソーダで喉を潤した。
窓際の席に座り、
2時間ほど街行く人たちを眺めた。

アジアのとろりとした、
スロウで穏やかなの時間。
ただそこにいるだけで、
心が満たされ、身体から力が抜ける。

たくさんのバイクが行き交い、
鳴り止まないクラクションの音。
喧騒と雑踏、排気ガスと砂埃が
絶えず続いている。
どこからかスパイスの香りがし、
お香も漂ってくる。
いろんなものをごちゃ混ぜにしたカオスの中に、
バランスよく、人々が息づいている。

ときおり、この世界に触れることで、
生きていることを実感するし、
日常の小さなことなど、
どうってことないと知らされる。

 

旅のカケラ/slideshow

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